社会鉄鋼工学部会 第10回公開セミナー「労働安全からみる"現場の抱える課題と対策の可能性"」
「安全性」「経済性」「環境負荷性」「メンテナンス性」「信頼性」など一つ一つの課題の重要性はよく認識されてきていますが、これを一つの製品、あるいは一つの運行システムにとりまとめる設計や運営となるといろいろな苦労があります。また驚くような工夫で克服したりしています。今回はこうした課題を実際に働く現場、主として鉄鋼産業と化学産業の各現場に視点をあてることにしました。 第8回でも職場の事故に焦点をあてましたが、そのときには時代の状況や条件が変化する中で、鉄鋼業における労働災害問題の取り組みについて、歴史的、統計的に主にマクロな視点から戦後60年をふりかえりました。今回第10回では労働安全衛生の実務に長く携わってきた立場から、経験した数々の事例を通じて、今どの様な変化がおきているのか、また事故災害防止の今後の課題とは何か等々の具体的なお話を聞こうと企画しました。 講師には事故や災害防止の教育や訓練活動にご活躍中の中村昌弘氏と三村和男氏をお迎えします。中村氏は住友金属工業(株)で、三村氏は東レ(株)で、それぞれ長くこの方面のお仕事をなされ、退職後の現在も、豊かなご経験を活かして業種の違いを超え、幅広く全国展開してご活躍中です。 こうした課題に関心のある皆様とご一緒に21世紀型にふさわしい「安全で快適な職場のシステム構築」について考えていきたいと願っております。この分野に関心をお持ちの方は勿論ですが、これまで"安全工学との縁は薄い"と感じていらした方、また現場とは離れた職場・職種の方の参加も歓迎します。21世紀型の「安全で快適な職場のシステムづくり」には、従来の労働安全等関連の専門の視点、現場の視点以外からの知識や協力も欠かせないからです。専門・非専門、現場・非現場の違いを超えて現代日本のものづくりの現場が直面している問題を共有することが、いま緊急に求められていることだからです。
|