材料の高強度化、水素エネルギー利用の進展に伴い、水素脆性は緊急な重要課題である。今までいくつかのプロジェクトにより基礎面で大きな進展が得られており、そこで従来の壁を破る核心となるのは材料中の水素の存在状態に関する知見とそれに基づく新しい観点である。これを発展・応用することで水素脆性対策における新技術の展開が期待されるが、そのために水素状態分析は必須な基本研究手法である。しかし、従来は各研究機関の分析方法や試験条件が異なり、得られる情報の相互理解や共通的基盤での利用が不十分である。そこで、本シンポジウムでは、幅広い研究機関により実施された水素状態分析標準化に向けた共同試験結果の報告、および水素状態分析を基盤とした水素脆化に関する最近の研究成果を報告する。
1.日 時: | 2007年9月19日(水) | 2.場 所: | 第154回秋季講演大会 第16会場 (岐阜大学 柳戸地区) |
| 3.プログラム: | 9:30~9:35 | 開会挨拶 |
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| 9:35~10:00 | 「水素状態分析標準化に向けた共同試験結果報告」 | 鈴木啓史(上智大) | 10:00~10:25 | 「ガスクロマトグラフの原理と水素定量の注意点」 | 長沢尚三(ジェイサイエンスラボ) | 10:25~10:50 | 「水素脆性における水素分析の意義」 | 南雲道彦(早大名誉教授) | 座長:白神哲夫(JFE条鋼) | 11:00~11:25 | 「水素と応力の相互作用による格子欠陥生成促進と水素脆化の関係」 | 高井健一、生田裕樹、山口悟史、鈴木啓史、萩原行人(上智大) | 11:25~11:50 | 「水素量を基準とした高炭素鋼線の遅れ破壊特性」 | 千田徹志、久保田 学、小坂 誠、樽井敏三(新日鉄) | 11:50~12:15 | 「高強度厚鋼板のセメンタイト微細分散による耐遅れ破壊特性の向上」 | 長尾彰英、林謙次、大井健次、鹿内伸夫(JFEスチール) | 座長:樽井敏三(新日鉄) | 13:15~13:40 | 「1600MPa級伸線パーライト鋼ボルトの開発 」 | 高島光男、飯田善次(本田技研) | 13:40~14:05 | 「大気環境における水素侵入挙動と高力ボルトの遅れ破壊」 | 大村朋彦(住金総研)、中里福和、渡部 了(住金小倉)、工藤赳夫(兵庫県大) | 14:05~14:30 | 「高強度ボルト製造工程中の水素侵入・放出挙動」 | 菊地克彦、白神哲夫(JFE条鋼) | 14:30~14:55 | 「高強度鋼の遅れ破壊特性評価」 | 津﨑兼彰、秋山英二(物材機構) | 座長:大村朋彦(住金総研) | 15:05~15:30 | 「転動疲労に及ぼす水素の影響と対策」 | 木野伸郎、尾谷敬造、山口拓郎、内山典子(日産自動車) | 15:30~15:55 | 「超高強度低合金TRIP鋼板の水素吸蔵特性と遅れ破壊特性」 | 北條智彦(津山高専)、杉本公一(信州大)、向井陽一、池田周之(神鋼) | 15:55~16:20 | 「Ni-Ti超弾性合金の水素脆化に及ぼす相変態の影響」 | 横山賢一(徳島大)、酒井潤一(早大) | 16:20 | 閉会挨拶 |
| 4.参加費: | 2,000円(資料は当日会場で配布、事前申し込み不要、会場に直接にお越し下さい) |
問合せ先:
上智大学理工学部機械工学科 高井 健一 TEL&FAX: 03-3238-3757 e-mail: takai@me.sophia.ac.jp |
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