日本鉄鋼協会、計測・制御・システム工学部会システムフォーラム(第5期「鉄鋼業を革新するフレキシブルなシステム化技術-設計・計画・管理へのIT応用」)では、下記の要領で第4回フォーラム「データからのモデル構築、知識獲得技術の最前線」を開催いたします。
1.目 的: | 計算機の高速化と大容量化、及び無線LANやICタグのような新たな情報採取/共用化技術の発展もあり、モデル構築、知識獲得に活用できるデータの量は飛躍的に増加している。それに呼応して、用いられる手法の展開も目覚しく、遺伝的アルゴリズムやニューラルネット、更にはデータマイニングといった新手法も既に定着の感があり、一方では、伝統的な統計手法も発展が続いている。
今回、本フォーラムでは、企業側事例3件と大学側研究2件の講演をおこなうことで、鉄鋼業、更には製造業における本技術の活用状況を明らかにすると共に、今後の方向性を議論する場を提供する。 | 2.主 催: | (社)日本鉄鋼協会 計測・制御・システム工学部会 システムフォーラム | 3.協 賛: | 計測自動制御学会、システム制御情報学会(依頼中) | 4.日 時: | 平成19年2月6日(火)13:00~17:00 | 5.場 所: | (株)神戸製鋼所 大阪支社 (大阪府大阪市中央区備後町4丁目1-3(御堂筋三井ビル2階)) http://www.kobelco.co.jp/corp/access/branch/osaka/index.html Tel (06) 6206-6111/Fax (06) 6206-6101 |
| 6.プログラム | 13:00~13:10 | フォーラム紹介 | 座長 小西正躬(岡山大) | 13:10~13:50 | 講演「局所回帰モデルを用いた圧延セットアップシステム」 | 講師 茂森弘靖(JFE 西日本製鉄所) | 概要: | 厚鋼板の圧延において、材質や寸法などの品質を精度良く制御することは重要である。そのためには高い精度で品質を予測するモデルが必要である。しかし、物理モデルで表現できない複雑、非線形、および経時変化する対象に対して、精度を維持し続けることは困難である。本稿では、局所回帰モデルを用いた圧延セットアップシステムについて説明する。西日本製鉄所の厚板工場に適用され、製品品質の向上と製造コストの低減、ならびにモデルのメンテナンス負荷の低減に寄与している。
| 13:50~14:30 | 講演「遺伝的プログラミング(GP)の鉄鋼プラントモデルへの適用検討」 | 講師 佃岳洋(神鋼 生産システム研究所) | 概要: | 入力変数と演算子を交差、突然変異などの遺伝子操作を行うことで、入出力データに最適な関係関数を探索する遺伝的プログラミングを用いて、熱延温度予測モデルの高精度化の検討を行った。また、厚板圧延荷重モデルへの適用例についても述べる。
| 14:30~15:00 | 講演「重回帰及びニューラルネットワークを用いた電力需要予測技術の開発」 | 講師 和嶋潔(新日鐵 環境プロセス研究開発センター) | 概要: | 本発表では、当社にて取り組んだ翌日最大電力需要予測技術の開発事例について報告する。まず、予測モデルについて、重回帰、ニューラルネットワーク及び両者のハイブリッドモデルを検討し、計算例を通して各手法の予測精度を検証した。次に、需要特性に大きな影響を及ぼす季節要因を考慮したモデリングとして、季節別及び時間帯別に予測モデルを構成する手法を検討した結果を述べる。最後に、年末年始やゴールデンウィークといった、いわゆる特異日における予測精度向上策を考案し、その効果を検証した。
| 15:15~15:55 | 講演「データマイニングとその生産品質管理適用の現状」 | 講師 鷲尾隆(阪大) | 概要: | 近年、IT技術の発達、普及と共に、多くの製造業やそれを取り巻く物流、通信、管理などのサービス業における様々な過程において、膨大な事象に関する多様な項目の情報を、廉価に収集、記録できるようになって来た。これを背景として生産プロセス品質管理に適用可能な技術や管理方法に大きな変革が起きつつある。本論では特にデータ解析技術の観点から、生産プロセス品質管理に新たにどのような技術が適用可能であるか、従来技術の適用性も含めて整理して紹介する。特に後半では、膨大かつ多様なデータの解析に効果を発揮することが期待されるデータマイニング技術の適用性について検討し、更に組み立て加工、半導体製造などの生産工程品質管理への適用例を紹介する。
| 15:55~16:35 | 講演「統計的アプローチによる品質実現力の強化~鉄鋼プロセスへの適用事例を中心に~」 | 講師 加納学(京大) | 概要: | 顧客が要求する品質の製品を常に安定して製造する実力、すなわち品質実現力の強化が様々な産業分野で求められている。本講演では、統計的手法による品質実現力強化の例として、1)変数間の相関関係に着目して異常の検出と診断を行う多変量統計的プロセス管理、2)製品品質と操業条件を結び付ける統計的モデルを核とする品質改善技術、3)バッチプロセス操作プロファイルの最適化について、その概念と主に鉄鋼プロセスでの適用事例を紹介する。
| 16:35~17:00 | 総合討論 | 登壇者を中心に、データからのモデル構築、知識獲得技術の今後の展開について議論する。 |
| 7.定 員: | 45名 | 8.参加費: | 日本鉄鋼協会会員、協賛学会会員:1,000円 非会員:2,000円 | 9.申込み方法: | 勤務先、所属、連絡先、会員区分をご記入の上、E-mailにて下記宛先へお申込み下さい | 10.申込み期限: | 平成19年1月19日(金) |
申込み・問合せ先
(株)神戸製鋼所 技術開発本部 生産システム研究所 岩谷敏治 TEL.078-992-5612 FAX.078-992-5530 E-mail:t-iwatani@kobelco.jp |
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