計測・制御・システム工学部会 シンポジウム 「設備産業におけるシミュレーション技術の活用と展開」
1.目 的: システム化技術の分野で、鉄鋼業が他の製造業と大きく異なる点として、対象設備の大規模性と計画系問題の複雑性が挙げられる。大規模設備に対しては、計算機を活用した操業支援、故障診断システムの構築が古くから試みられてきた。また、計画系意思決定問題では、コスト、納期、生産量、更には対象設備の上工程、下工程など多様な評価指標を考慮する必要があるため問題が複雑になり、計算機での取り扱い方が常に議論の対象となってきた。 本シンポジウムではこれらの課題に対する、シミュレーション技術からのアプローチに焦点を当てる。まず、大規模設備の例として高炉と電力系統を取り上げる。両設備とも、製鉄所全体に影響を及ぼす重要設備であるが、これらに対するシミュレーション技術活用の最新事例を示す。次に、複雑な意思決定問題に対する新しい解決手段として、マルチエージェントシミュレーション技術の解説とその応用例を示す。そして最後に、登壇者全員で鉄鋼業に対するシミュレーション技術の今後の展開を議論する。
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