「鉄鋼工学セミナー」では、これまで、大学において鉄鋼に関する基礎的な教育を受けた若手研究者や技術者を対象として講義が行われてきました。しかし、科学技術の多様化や学問領域の拡大に伴って、最近は、大学での鉄鋼関連の講義は大変少なくなってきており、鉄鋼に関する基礎的な教育を受けることなく鉄鋼関連企業に就職する学生も増えてきています。こうした傾向を反映して、セミナー受講者のアンケートでは、「学術専門用語の意味が理解できない」、「基礎に重点を置いた講義をやってほしい」という意見が多く聞かれるようになりました。そこで、昨年よりプログラムの見直し・再編を行い、鉄鋼分野の技術者・研究者として必要不可欠な基盤分野により重点を置いたプログラム編成といたしました。一方で、高い専門性を有する技術者・研究者を育成するために「より現場に密着した技術に関わる講義や専門性を高めるような講義を増やして欲しい」との意見もあります。しかしながら、対象とする材料や技術が多種多様な材料・圧延の分野ではこの意見を鉄鋼工学セミナーのプログラムに反映させることは困難な状況です。そこで、こうした高度なレベルの要求に対応すべく、今回、「専科」という特別講義を別枠で設定することにいたしました。 本年度は、試行として材料・圧延コースで下記の1件を開講することにいたしました。本来、受講者の都合の良い都市圏で開講すべきところですが、本年度は都合により「鉄鋼工学セミナー」終了後に蔵王で開講いたします。「専科」は、“特定の専門技術や高度の学術分野を深く理解したい”という熱意のある技術者や研究者のために開講されるもので、今後の人材育成強化を目的としています。今回の試行がうまくいけば順次「専科」の数を増やしていく予定です。「専科」は「鉄鋼工学セミナー」とは独立した企画ですので、「鉄鋼工学セミナー」の受講生だけでなく、どなたでも申し込むことができます。少数精鋭主義をモットーとして中身の濃い講義にしたいと思いますので、興味と熱意のある方々の参加を期待しています。 「鉄鋼工学セミナー」主査・高木節雄
1.期日: | 2004年7月30日(金)~31(土) 鉄鋼工学セミナー終了後、引き続いて実施します。 | 2.会場: | 蔵王ハイツ宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉字上の原128 東北新幹線白石蔵王駅下車バス40分 TEL.0224-34-2311 | 3.専科の名称: | 強化機構専科 | 4.講義の概略: | 鉄の基本的な強化機構である固溶強化、転位強化、粒子分散強化、結晶粒微細化強化について、転位論に基づいた理論的な解説を行う。具体的には、固溶強化に関する溶質元素の濃度依存性、転位強化に関するBailey-Hirsch則、粒子分散強化におけるOrowan則、結晶粒微細化強化におけるHall-Petch則などを理論的に導出し、実験結果なども含めて各強化機構による強化限界に関して解説する。その他、時間が許せば、複相鋼の降伏強度の考え方、脆性破壊に対する結晶粒径依存性についても説明する。 | 5.プログラム: | 7月30日(金)
| 7月31(土)
| 9:30~12:30 | 講義 | 9:00 | 朝食後解散 | 12:30~13:30 | 昼食、休憩 |
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| 13:30~18:30 | 講義 |
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| 18:30~20:30 | 夕食・懇親会 |
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| 6.講師: | 高木節雄(九州大学)
| 7.募集定員: | 10~20名(定員を超えた場合は、先着順とさせていただきます。)
| 8.参加資格: | 日本鉄鋼協会個人正会員 | 9.費用: | 受講料 | 32,000円(本会維持会員会社所属の方、大学若手教員は20,000円) | 宿泊・食事代 | 12,000円(1泊3食) (注)7月29日の宿泊を希望される方は22,000円(2泊5食) | 懇親会費 | 2,000円(1回) | 1)送金方法: | 受講者が決定次第、専用郵便振込用紙をお送りしますので7月6日(火)までに郵便振替にてご送金下さい。(現金書留も可) | 2)キャンセル: | 7月6日以降に申し込みの取り消しをされても返金できません。予めご了承下さい。
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| 10.申込締切日: | 2004年6月23日(水)期日厳守 | 11.申込方法: | こちらの申込書に入力し、送信して下さい。会社窓口を経由して申し込まれる場合は、必ず窓口の方にご相談下さい。 |
問合せ先
(社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 金子、植田 TEL.03-5209-7012 FAX.03-3257-1110 E-mail:educact@isij.or.jp 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2 新倉ビル2階 |
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