5. 講義内容 |
◎第一部 |
| 材料の中をみる -組織と熱力学・状態図- | ・・・・・加藤雅治(東工大) |
| 材料の有する性質の多くはそのミクロ組織に大きく依存している。したがって、優れた材料を作り出すためにはミクロ組織の成立ちに関する理解が重要である。第一部では、先ず鉄鋼の組織を理解するための基本であるFe-Fe3C系状態図について、次いで鉄鋼材料にとって重要な組織であるフェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの見方について解説する。また、組織の形成や変化の理解に必要な知識である、組織と自由エネルギーの関係、原子の拡散現象、格子欠陥などについても、鉄鋼を念頭に平易に説明する。 |
◎第二部 |
| 鉄鋼の熱処理による千変万化 -熱処理と組織変化- | ・・・・・高木節雄(九大) |
| 鉄鋼材料の特性を支配しているミクロ組織の制御法について解説する。まず組織の出来かたを理解するために核生成-成長のメカニズムについて述べた上で、鉄鋼材料の基本成分であるFe-C系合金の相変態挙動について述べる。さらに,機械的性質に大きな影響を及ぼす組織の大きさ(結晶粒径、ラメラ間隔、炭化物粒径など)をどのように制御するかという視点から,連続冷却中におこるフェライト変態やパーライト変態,ベイナイト変態について説明する。最後に焼き入れによって得られるマルテンサイトの組織と性質の関係,ならびに焼戻しによって生ずるマルテンサイトの組織変化等について述べる。 |
◎第三部 |
| 鉄鋼の強さの謎に迫る -強度と破壊- | ・・・・・萩原行人(物質・材料研究機構) |
| 鉄鋼のミクロ組織と強度、破壊特性の関係について解説する。破壊特性に関しては、特に脆性破壊及び疲労破壊を取り上げる。第二部で学んだ組織制御によって、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの各組織の状態(組織因子)が変化すると、降伏強さ、加工硬化、引張強さ、伸びなどの機械的特性がどのように変化するかを示す。また、脆性破壊及び疲労破壊に関し、ミクロ破壊機構及び金属組織を含むミクロ特性とマクロ的な特性との関係についての現状を概説する。最後に、使用目的に適した材料選択の重要性について説明する。 |
◎第四部 |
| Q&A,雑談コーナー |
4. 受講料および申込方法: |
| 会員・非会員共 15,000円 学生5,000円 (テキスト代を含む) 参加ご希望の方は、下記フォームにお名前、個人会員番号、所属、連絡先、希望会場を明記してお申込下さい。受講料は郵便振替または現金書留で事前に送金をお願いいたします。(但し、当日申込も可)。 東京会場の締め切りは10月1日(火)となっています。大阪会場参加申し込みについては「ふぇらむ」次号にてご案内いたします。 |