2022年度事業報告・収支決算(2022.3.1~2023.2.28)

収支決算(PDF)

2023年4月24日に開催された一般社団法人日本鉄鋼協会定時社員総会において、標記報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。

2022年度一般社団法人日本鉄鋼協会事業報告・収支決算(2022.3.1~2023.2.28)

2022年度は第4期中期計画の1年目の年であり、次のとおり事業活動を展開した。

1.協会基本活動の活性化

会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を協会の基本活動として重点を置き実施した。

  • 2022年度の最大の課題を会員数の回復とし、このため新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)対策を取りながら講演大会・セミナー等の行事の対面開催を復活するとともに、新たな個人会員数増加対策として、若手会員会費優遇、会員向けWeb講演会等を実施した。2022年6月末には、3年ぶりに個人会員数が前年比増加傾向に転じた。2023年2月末時点で、個人会員総数8,013名(前年2月末7,929名)、うち正会員6,696名(前年6,757名)、準会員777名(前年576名)、学生会員316名(前年293名)、外国会員123名(前年201名)、維持会員168社(前年170社)となった。
  • 2022年度の春季講演大会はオンラインで、秋季講演大会は対面(福岡工業大学)で開催した。講演大会での研究発表件数については、一般講演は春季222件、秋季236件、討論会は春季5テーマ34件、秋季7テーマ51件、国際セッションは秋季1テーマ6件(ハイブリッド形式)であった。参加者数は、春季2,373名(総登録者数)、秋季980名であった。また学生ポスターセッションの発表は、春季71件、秋季69件であった。
  • 論文の状況は、1~12月の合計で、投稿論文数は「鉄と鋼」128件(前年126件)、「ISIJ Int.」523件(前年565件)であった。同様に掲載論文数は「鉄と鋼」98件(前年116件)、「ISIJ Int.」297件(前年349件)であった。2021年度より交付を受けている科研費「国際情報発信強化」事業の遂行、「鉄と鋼」のDOAJ収載、ORCIDの導入、投稿から公開までの期間短縮検討等を行った。

2.鉄鋼の学術・技術の活性化(研究会I、II、鉄鋼協会研究プロジェクト、鉄鋼研究振興助成、鉄鋼カーボンニュートラル研究助成等)

  • 新規研究として、研究会Iは「鋳造凝固における欠陥のマルチスケール解析」、「溶融酸化物の熱伝導度計測高精度化」、「溶融めっき皮膜の機能創出に資する構造因子」、「炭素鋼における切削現象の系統的再解明」、「高度な技能に基づく鉄鋼分析操作の化学検証」の5件、研究会IIは「水素脆化評価法に必須の要素技術の抽出」、「リン濃縮鉄鋼スラグの肥料化」の2件を開始した。継続研究として、研究会Iは13件、研究会IIは1件、鉄鋼協会研究プロジェクトは3件を実施した。
  • 鉄鋼研究振興助成については、28件について助成を行った。
  • 新規事業である鉄鋼カーボンニュートラル研究助成については、本年度に採択決定した24件について助成を行った。
  • 2023年度に向けて、研究会Iを5件、研究会IIを1件(FS)、鉄鋼協会研究プロジェクトを1件、鉄鋼研究振興助成を26件採択した。研究会I・II及び鉄鋼協会研究プロジェクトに研究助成会長枠を導入した。

3.人材育成

  • 学生育成事業は全て対面(一部ハイブリッド・オンデマンド追加)として実施した。企業経営幹部による大学特別講義は10大学、専務理事による鉄鋼技術特別講義は13大学で実施した。修士・博士向けの学生鉄鋼セミナー3コース、修士向け鉄鋼工学概論セミナー、学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナー4製鉄所で実施した。製鉄所見学事業(交通費支給)は、対象を大学学部から高校、高専及び大学全部(大学院を含む)に拡大し、9回実施した。
  • 企業人材育成事業は、鉄鋼工学セミナー専科1テーマをオンラインで、その他は対面で実施した。鉄鋼工学セミナーを那須で(72名参加)、鉄鋼工学セミナー専科は5テーマ(4テーマ対面、1テーマオンライン)、鉄鋼工学アドバンストセミナーを船橋で実施した。
  • 西山記念技術講座は、「基礎から振り返る先端鉄鋼材料学」を東京(38名参加)とオンライン(201名参加)で、「失敗しない評価・分析・解析技術の最前線(不確定要素の理解と適切な手法の選択に向けて)」を大阪(40名参加)と東京(59名参加)で開催した。白石記念講座は、「攻めの操業を支えるシステムレジリエンス-環境の揺らぎへの対応力-」を東京(31名参加)で開催した。
  • 育成新規事業として、①製鉄所見学交通費支給を高校生・高専生向けに拡充(上記(1)参照)、②高校・高専への大学教育出張授業の助成募集を開始、③高校・高専の教科で活用できる動画教材の制作を開始、④会員向けWeb講演会(鉄鋼協会Web講演会、Web講演会~鉄鋼技術最前線シリーズ~、Web講座~入門講座シリーズ~)を実施した。
  • JABEE技術者教育プログラム認定制度における「材料および関連の工学分野」の幹事学会として、本分野の中心となって活動した。

4.学会部門及び生産技術部門における研究調査活動

  • 学会部門及び生産技術部門ともに、部会活動は、感染症対策をとりながら徐々に対面またはハイブリッド形式での活動を再開させた。また、部会の活動内容に応じ、多くの参加者に情報共有したい場合はオンライン形式、討議を中心とする場合は対面形式など、両形式の利点や特長を積極的に活用する工夫が進められた。

5.他学協会等との連携強化及び政府の科学技術・産業技術政策への対応

  • 日本金属学会と上記1.(2)の講演大会を合同開催し、その中で共同セッションを実施した。
  • 日本鉄鋼連盟、鐵鋼スラグ協会、日本鋼構造協会、鉄鋼環境基金と「鉄鋼関連助成事業連絡会」を1回開催した。
  • 日本工学会事務研究委員会において、日本鉄鋼協会のカーボンニュートラルへの取り組みを紹介した上で、日本金属学会や化学工学、機械工学、電気工学等の他分野の学協会に連絡し鉄鋼カーボンニュートラル研究助成の募集案内周知の協力を得た。

6.内外への情報発信力の強化

  • 本会Webサイトについて、会員が求める情報を迅速かつ継続的に提供できるWebサイトにするため、2ヶ月毎のアクセス統計解析結果をもとに会報委員会において改善等の検討を行い、トップページのデザインを一新した。
  • 会報誌「ふぇらむ」について、毎月(年間12冊)刊行した。2023年1月より、会員数増加を目的として、一般公開(Techno Scope(巻頭グラフ記事)、表紙、編集後記、お知らせ等を発行日より、入門講座を除く全ての記事を発行日から1年後、入門講座を発行日から原則2年経過後)した。
  • 本会主催の国際会議を3件(ICAS2022、ISHOC-2022、SynOre2022)実施した。また、世界鉄鋼協会主催の低炭素オープンフォーラム(於:ベルギー・ブラッセル)に鉄鋼カーボンニュートラル検討会議として対面参加した。
  • 独鉄鋼協会が幹事としてオンライン開催した世界専務理事会議に出席し、今後の国際会議開催の調整を行った。