2021年度事業報告・収支決算(2021.3.1~2022.2.28)

収支決算(PDF)

2022年4月25日に開催された一般社団法人日本鉄鋼協会定時社員総会において、標記報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。

2021年度一般社団法人日本鉄鋼協会事業報告・収支決算(2021.3.1~2022.2.28)

2021年度は第3期中期計画の3年目の年であり、次のとおり事業活動を展開した。

1.協会基本活動の活性化

会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を協会の基本活動として重点を置き実施した。

  • 新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)のため、本会開催の講演大会・セミナー等の行事の中止・延期・オンライン開催等が続いた影響により、個人会員数が減少したため、2021年5月に個人会員会費の減免を実施し、2021年会費の有効期限を2022年12月末日まで延長したが、個人会員数の前年比減少傾向を反転するには至らなかった。2022年2月末時点で、個人会員総数7,929名 (前年2月末8,042名)、うち正会員6,757名(前年6,827名)、準会員576名(前年575名)、学生会員293名(前年294名)、維持会員170社(前年171社)となった。
  • 2021年度の春季講演大会、秋季講演大会ともに、オンラインで開催した。講演大会での研究発表件数については、一般講演は春季217件、秋季160件、討論会は春季3テーマ22件、秋季3テーマ21件、国際セッションは春季1テーマ11件であった。総登録者数は春季1,730名、秋季1,753名であった。また学生ポスターセッションの発表は、春季63件、秋季49件であった。
  • 論文の状況は、1~12月の合計で、投稿論文数は「鉄と鋼」126件(前年125件)、「ISIJ Int.」565件(前年723件)であった。同様に掲載論文数は「鉄と鋼」116件(前年103件)、「ISIJ Int.」349件(前年354件)であった。2021年度より5年間の科研費交付を受け、「鉄鋼論文誌の国際競争力強化」の取り組みを行った。また、「鉄と鋼」「ISIJ Int.」は2020年10号の掲載論文から、オープンアクセス誌としてCCライセンスの付与を開始し、2021年4月には、「ISIJ Int.」がDOAJに収載された。更には、「鉄と鋼」のITA(投稿規程、執筆要領)を「ISIJ Int.」のITAに倣い国際標準化するなど、ジャーナル国際標準化を進めた。

2.鉄鋼の学術・技術の活性化(研究会I、II、鉄鋼協会研究プロジェクト、鉄鋼研究振興助成、等)

  • 新規研究として、研究会Iは「高品質焼結鉱の鉱物組織マルチスケール評価」、「インフラ劣化診断のためのデータサイエンス」、「AM材の構造因子の数値化と破壊強度」、「鉄鋼関連材料の非破壊・オンサイト分析法」の4件、鉄鋼協会研究プロジェクトは「サステナブル高清浄クロム鋼溶製プロセス」、「摩擦接合技術の高度化と鋼材設計指針の提案」の2件を開始した。継続研究として、鉄鋼協会研究プロジェクトは2件、研究会Iは13件、研究会IIは2件を実施した。
  • 鉄鋼研究振興助成については、前年度に採択決定した28件について助成を行った。
  • 2022年度に向けて、研究会Iを5件、研究会IIを2件、鉄鋼研究振興助成を29件採択した。

3.人材育成

  • 学生育成として、企業経営幹部による大学特別講義を11大学で実施した。また専務理事による鉄鋼技術特別講義も9大学で実施した。修士・博士向けの学生鉄鋼セミナーは2コースをオンラインで実施し、修士向け鉄鋼工学概論セミナーもオンラインで実施した。学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナーは、感染症拡大防止のため中止した。
  • 企業人材育成として、47回目となる鉄鋼工学セミナー、29回目となる鉄鋼工学アドバンストセミナーの開催を予定していたが、感染症拡大防止のため中止とした。鉄鋼工学セミナー専科は1テーマを対面で実施し、4テーマはオンラインで実施した。
  • 西山記念技術講座は、「先端鉄鋼製精錬プロセス技術における基礎と実践研究」(122名参加)および「最近の電気炉技術の進歩-平成30年間を振り返る-」(317名参加)をテーマにオンラインで開催した。白石記念講座は、「進化するポリマー-自動車における金属材料との共存共栄-」(34名参加)をテーマにオンラインで開催した。
  • JABEE技術者教育プログラム認定制度における「材料および関連の工学分野」の幹事学会として、本分野の中心となって活動した。

4.他学協会等との連携強化

  • 日本金属学会と上記1.2)の講演大会を合同開催し、その中で共同セッションを実施した。
  • 日本鉄鋼連盟、鐵鋼スラグ協会、日本鋼構造協会、鉄鋼環境基金と「鉄鋼関連助成事業連絡会」を2回開催した。
  • 日本学術振興会「製銑第54委員会」の活動を継承して新たに設立された「製銑科学技術コンソーシアム」へ特別会員として入会し、連携強化を図った。

5.政府の科学技術・産業技術政策への対応

  • 政府の政策に対応した「地球温暖化対策計画の実現に向けた鉄鋼技術検討会議(CGS)」において、これまで活動のとりまとめと報告書作成、今後の活動の方向性検討を行った。

6.内外への情報発信力の強化

  • 本会の第二Webサイトである「ISIJ Int.ジャーナルWebサイト」について、国際発信力をさらに強化するため、既に2月にリニューアルしていた英語Webサイトを参考に、日本語Webサイトを11月にリニューアルを実施。また、上記1.3)の鉄と鋼のITA国際標準化に伴い、独自のWebサイトを2月にオープンさせた。
  • 2021年11月に独鉄鋼協会が幹事としてオンライン開催した世界専務理事会議に出席し、今後の国際会議開催の調整を行った。