平成24年3月28日に開催されました第97回通常総会において、平成23年度事業報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。 |
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平成23年度は、①協会基本活動の活性化、②情報発信機能の強化、③国際化の促進、④鉄鋼の学術・技術の活性化、⑤他学協会との連携強化等を進めると共に、鉄鋼協会の今後の強化活動項目として取り上げられた人材育成について新たな事業活動を展開した。 公益法人制度改革については平成22年度に一般社団法人を目指すことが議決され、臨時代議員選挙規程が制定された。この規定に従い、法律で定める要件に沿った臨時代議員選挙を行った。平成24年2月15日の理事会、評議員会、臨時総会で一般社団法人への移行認可申請、移行後の新定款、及び事務所の移転を議決した。これらを受けて内閣府へ移行認可申請を行った。 |
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1. | 協会基本活動の活性化 会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を学協会の基本活動として重点を置いている。 会員数はリーマンショック後の景気変動の影響も受け、減少傾向にあり、会員総数で9,256名(前年度比188名減)、正会員7,867名(前年度比51名減)、維持会員181社(前年度同数)である。また、60歳以上の会員の増加を目的に21年から導入されたシニア会員制度は152名以上が活用している。 23年度の講演大会は春季大会(東京都市大学)が東日本大震災後の電力事情等の影響で中止を余儀なくされた。しかしながら講演大会論文集は配布され、公開されていたため、研究発表は行われたこととすることが講演大会協議会で決定された。研究発表件数 は一般講演、討論会、国際セッション合計で407件であった。 秋季大会は東北支部の担当で岩手大学での開催を予定していたが、電力事情等から大阪大学での開催に変更した。なお、台風の影響で2日目の講演は中止された。秋季大会での研究発表件数は中止分も含めて一般講演422件、討論会69件、国際セッション25件で合計516件、登録参加者数1,265名、学生ポスターセッションの発表は75件であった。 投稿論文数は1~12月の数字で見ると、「鉄と鋼」87件、「ISIJ Int.」587件で、前年と比べると「鉄と鋼」が7件の減、「ISIJ Int.」が90件の増加である。特に「ISIJ Int.」については海外からの投稿数増加が著しい。掲載論文数は「鉄と鋼」92件、「ISIJ Int.」304件であった。21年度から導入された査読報奨金制度は円滑に進行している。 |
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2. | 情報発信機能の強化 科学技術振興機構が運営するJ-STAGEにおいて「ISIJ Int.」をフリーアクセスとして、情報発信の強化を図っている。電子投稿・審査システムは22年度からJ-STAGEシステム利用してきたが、23年10月から新J-STAGE3の投稿・審査システムに変更した。また、「鉄と鋼」も24年1月から新J-STAGE3のシステムの運用を開始した。 |
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3. | 国際会議・国際交流の促進 鉄鋼におけるC02削減に向けて-第3回CO2削減シンポジウムが東京で開催された。 |
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4. | 鉄鋼の学術・技術の活性化① | 産学連携 学術部会と技術部会による共同セミナー等を実施し、両部会の活性化および産学連携の強化を図った。 | ② | 鉄鋼研究の強化 「産発プロジェクト展開鉄鋼研究」は24年度実施に向けて2件の応募があり、1件を採択した。 研究会は24年度実施に向けて、研究会Ⅰが11件、研究会Ⅱが2件の応募があり、それぞれ、5件、2件を採択した。22年度から新たな調整スキームとして会長調整枠を用意して全体調整を行った。継続プロジェクトについては研究計画に従って実施した。 鉄鋼研究振興助成は70件の応募があり、36件を採択した。 | ③ | 鉄鋼のプレゼンス向上 住友金属工業(株)代表取締役社長友野宏氏による「住友金属工業における技術経営」を予定していたが、春季講演大会中止に伴い、中止された。会報誌に講演予定内容を掲載した。 |
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5. | 他学協会等との連携促進 日本金属学会とは秋季大会が分離開催となったため、講演大会相互聴講、男女共同参画ランチョンミーティング、連携協議会は開催されなかった。日本金属学会東京事務所の同居を進めた。材料分野の学協会連携活動として、材料戦略委員会の事務局を担当した。日本熱処理技術協会との事務所同居を契機に連携を強化した。 |
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6. | 人材育成 37回目となる鉄鋼工学セミナー(142名参加)、5回目となる学生鉄鋼セミナー(50名参加)、製鉄所見学支援(516名参加)、大学特別講義等の従来からの活動に加えて、新規事業として産学人材育成パートナーシップ事業を継承して「修士学生向け鉄鋼工学概論(64名参加)」および「学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナー(関東、関西、九州の3地区で開催、合計37名参加)」を実施した。また、新たに企業経営幹部による大学特別講義を10大学で実施した。 西山記念技術講座では、「鋼板製造プロセス技術」、「スラグ・ダストの利材化」、白石記念講座では、「低炭素化社会実現のための超伝導技術」をテーマに開催した。 |
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7. | 科学技術政策への対応 日本鉄鋼協会が提案した科学技術振興機構の産学共創基盤技術開発制度「ヘテロ構造金属材料プロジェクト」では22年度9件の研究開発に加えて23年度では3件が追加された。 鉄鋼各社と日本鉄鋼連盟、金属系材料研究開発センター及び本会の連絡組織である鉄鋼技術連絡会において今後の鉄鋼技術開発プロジェクトの検討を行った。 |