平成24年度補助金等報告書(該当なし) 平成25年4月26日に開催されました一般社団法人日本鉄鋼協会定時社員総会において、標記報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。
Ⅰ.平成24年度一般社団法人日本鉄鋼協会事業報告・収支決算(H24.8.1~H25.2.28) 一般社団法人日本鉄鋼協会は特例社団法人からの移行登記が8月1日をもって行われ、設立された。 本報告は一般社団法人として平成24年8月1日から平成25年2月28日までの7ヶ月間の事業報告である。 平成24年度においては、新法人設立にかかる基盤整備を図ると共に事務所の移転、平成25年度を初年度とする中期財務計画の作成を行い、新法人の活動を開始した。活動内容としては①協会基本活動の活性化、②情報発信機能の強化、③国際化の促進、④鉄鋼の学術・技術の活性化、⑤他学協会との連携強化等を進めると共に、鉄鋼協会の今後の強化活動項目として取り上げられた人材育成について事業活動を展開した。特例社団法人は清算した。 1. | 協会基本活動の活性化 |
| 会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を学協会の基本活動として重点を置いている。 会員数はリーマンショック後の景気変動の影響も受けたが、現時点では横ばい傾向にあり、会員総数で9,121名(前年8月1日9,636名)、正会員7,731名(前年8月1日8,076名)、維持会員174社(前年8月1日179社)である。また、60歳以上の会員の増加を目的に21年から導入されたシニア会員制度は168名が活用している。 24年度の秋季講演大会は愛媛大学で開催された。講演大会での研究発表件数は一般講演438件、討論会74件、国際セッション11件で合計523件、登録参加者数1,284名、学生ポスターセッションの発表は94件であった。 論文の状況を8~12月の5ヶ月間数字で見ると、投稿論文数は「鉄と鋼」43件(87)、「ISIJ Int.」232件(587)、同様に掲載論文数は「鉄と鋼」35件(92)、「ISIJ Int.」130 件(304)であり、前年とほぼ同様の水準で推移した(( )内は前年1~12月の数値)。 21年度から導入された査読報奨金制度は円滑に進行している。 |
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| 2. | 情報発信機能の強化 |
| 科学技術振興機構が運営するJ-STAGEにおいて「ISIJ Int.」をフリーアクセスとして、情報発信の強化を図っている。電子投稿・審査システムは23年10月から新J-STAGE3の投稿・審査システムに変更した。また、「鉄と鋼」も24年1月から新J-STAGE3のシステムの運用を開始した。 |
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| 3. | 国際会議・国際交流の促進 |
| 国際自動制御連盟「鉱業、鉱物と金属加工の自動化に関するワークショップ(IFAC MMM 2012)」が9月10~12日に岐阜市の長良川国際会議場で開催され、参加15ケ国から102名が参加し、62件の発表が行われた。また、「鉄鋼業における分析・解析法の最近の進歩(RATEC 2012)」 が11月28~30日に東京の科学未来館会議場で開催され、参加8ケ国から56名が参加し、19件の発表が行われた。 |
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| 4. | 鉄鋼の学術・技術の活性化 |
| ①産学連携
学術部会と技術部会の活性化および産学連携の強化を図った。 ②鉄鋼研究の強化
産発プロジェクト展開鉄鋼研究(「製鋼スラグによる東日本大震災で被災した沿岸田園地域の再生(研究チーム主査東北大学北村信也教授)」、研究会(「電磁振動印加時の物理現象解明」、「非金属介在物と硫化物・窒化物の固相内反応」、「ワイヤレスセンサネットワークの鉄鋼応用」、「加工プロセスにおける酸化被膜の影響」、「高強度鋼の破壊靭性」、「鋼材矯正後残留応力の予測・評価」及び「円周ガイド波による配管減肉検出技術」の7研究会)、鉄鋼研究振興助成(36件)については特例社団法人として採択した課題について24年度の助成を継続した。 25年度に向けて産発プロジェクト展開鉄鋼研究1件、研究会Ⅰ4件、研究会Ⅱ2件、鉄鋼研究振興助成41件の採択を行った。 |
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| 5. | 他学協会等との連携促進 |
| 日本金属学会との講演大会相互聴講、男女共同参画ランチョンミーティングを実施した。 日本金属学会、日本熱処理技術協会とは事務所移転後も継続して連携を強化した。 |
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| 6. | 人材育成 |
| 20回目となる鉄鋼工学アドバンストセミナー(33名参加)、大学特別講義(従来からの経済産業省特別講義6大学、企業経営幹部による大学特別講義3大学)を実施した。企業経営幹部による大学特別講義は通年では前年度と同一の10大学であった。学生鉄鋼セミナーは3コースが実施され35名の参加、修士学生向け鉄鋼工学概論セミナーは32名、学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナーは室蘭14名、鹿島10名、広畑14名、倉敷12名の参加であった。 西山記念技術講座では、「金属の界面腐食科学技術の進歩と今後の展望」をテーマに開催した。また、白石記念講座は「鋼・コンクリート構造物の腐食・防食、劣化とセンシング技術の課題と展望」をテーマに開催した。 |
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| 7. | 科学技術政策への対応 |
| 日本鉄鋼協会が提案した科学技術振興機構の産学共創基礎基盤技術開発制度「ヘテロ構造制御金属材料プロジェクト」で秋季講演大会時に科学技術振興機構と共催でシンポジウムを開催し、12件の研究プロジェクトを発表した。 政府で検討中の未来開拓研究制度で構造材料関連テーマが取り上げられるべく、必要な活動を行った。 |
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