2018年度補助金等報告書(該当なし)
2019年4月22日に開催された一般社団法人日本鉄鋼協会定時社員総会において、標記報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。
2018年度一般社団法人日本鉄鋼協会事業報告・収支決算(2018.3.1~2019.2.28)
2018年度は第2期中期計画の3年目の年であった。活動内容としては、(1)協会基本活動の活性化、(2)鉄鋼の学術・技術の活性化、(3)人材育成、(4)他学協会との連携強化、(5)政府の科学技術・産業技術政策への対応、(6)内外への情報発信力の強化、等の実施に重点を置いた事業活動を展開した。 1.協会基本活動の活性化 | 会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を協会の基本活動として重点を置き実施した。 | 1) | 2017年1月より導入した準会員期間の延長制度により、個人会員総数は増加した。2019年2月末時点で、個人会員総数8,864名(前年8,775名)、うち正会員7,418名(前年7,435名)、準会員558名(前年492名)、維持会員176社(前年175社)である。また、学生会員から準会員への転格制度は21名が利用した。 | 2) | 2018年度の春季講演大会は千葉工業大学で、秋季講演大会は東北大学で開催した。講演大会での研究発表件数については、一般講演は春季大会306件、秋季大会349件、討論会は春季大会4テーマ35件、秋季大会6テーマ33件、国際セッションは春季大会1テーマ9件、秋季大会2テーマ30件であった。登録参加者は、春季大会1,310名、秋季大会1,356名であった。また学生ポスターセッションの発表は、春季大会75件、秋季大会120件であった。 | 3) | 論文の状況は、1~12月の合計で、投稿論文数は「鉄と鋼」170件(前年101件)、「ISIJ Int.」800件(前年701件)であった。同様に掲載論文数は「鉄と鋼」97件(前年95件)、「ISIJ Int.」300件(前年298件)であり、「ISIJ Int.」の掲載論文数において初めて中国(126件)が日本(113件)を上回った。また、論文誌編集委員会の下に「論文誌企画分科会」を設置し、論文誌の質の向上や国際発信力強化のための施策を検討した。 |
2.鉄鋼の学術・技術の活性化
1) | 新規研究として、研究会Ⅰは「凝固過程の偏析・欠陥の3D/4D解析」、「スラグ由来の人工リン鉱石」、「高能率・安定圧延を実現する人とシステムのシェアードコントロール」、「高温材料の高強度化」、「鉄鋼材料への腐食誘起水素侵入」の5件、研究会Ⅱは「配管減肉スクリーニング検査への円周ガイド波適用性評価」、「鉄鋼スラグ中リン酸の有効活用に関するFS」、「腐食劣化解析に基づく鋼構造物維持の最適化」の3件を開始した。また、継続研究として、研究会Ⅰは10件、研究会Ⅱは5件を実施した。 | 2) | 鉄鋼研究振興助成については、前年度に採択決定した32件について助成を行った。 | 3) | 2019年度に向けて、鉄鋼協会研究プロジェクトを1件、研究会Ⅰを5件、研究会Ⅱを4件、鉄鋼研究振興助成30件の採択を行った。 |
3.人材育成
1) | 学生育成として、企業経営幹部による大学特別講義を11大学で実施した。また元会長および専務理事による大学特別講義も13大学で実施した。学生鉄鋼セミナーは2コースを実施し34名が参加、修士学生向け鉄鋼工学概論セミナーは34名、学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナーは、JFEスチール西日本倉敷、JFEスチール東日本京浜、神戸製鋼所加古川、新日鐵住金室蘭で開催し104名が参加した。学部学生の製鉄所見学は18回実施し、総計882名が参加した。 | 2) | 企業人材育成として、44回目となる鉄鋼工学セミナー(174名参加)を那須で開催したほか、鉄鋼工学セミナー専科(6テーマ、101名参加)、26回目となる鉄鋼工学アドバンストセミナー(25名参加)を開催した。 | 3) | 西山記念技術講座は、「鉄鋼業における地球温暖化対策の未来~LCAと他業界からそのヒントを探る~」(133名参加)および「特殊鋼棒線の技術開発と今後の展望」(226名参加)をテーマに開催した。また、白石記念講座は「AI(人工知能)、ビッグデータが拓く鉄鋼の未来を考える」(163名参加)をテーマに開催した。 4)JABEE技術者教育プログラム認定活動の一貫として、材料および材料関連分野審査会等を開催した。 |
4.他学協会等との連携強化
日本金属学会との講演大会相互聴講を実施した。また日本鉄鋼連盟、鐵鋼スラグ協会、日本鋼構造協会、鉄鋼環境基金と「鉄鋼関連助成事業連絡会」を2回開催した。さらに日本鉄鋼連盟、日本鋼構造協会とともに建設用構造材料に関わる連絡会を開催した。 5.政府の科学技術政策・産業技術政策への対応1) | 日本鉄鋼協会が提案したJST「ヘテロ構造制御金属材料プロジェクト」(2010-2019年度)、NEDO「革新的構造材料等研究開発」(2013-2022年度)等の政府の研究開発について協力・支援を行った。 | 2) | 政府の政策に対応するため、生産技術部門に「地球温暖化対策計画の実現に向けた鉄鋼技術検討会議」を発足させ、化学工学会、電力中央研究所との情報交換会を開催した。 |
6.内外への情報発信力の強化
1) | 春季講演大会において経営トップ特別講演として、柿木厚司JFEスチール(株)代表取締役社長が「鉄鋼業における働き方改革とJFEスチールの取り組み」と題する講演を実施した。 | 2) | 国際会議として、EPM2018(10月14-18日、淡路)、ISHOC2018(10月21-26日、松江)を開催し、国際的な情報発信と国際交流を深めた。 | 3) | 日本学術振興会の科研費補助金により「鉄鋼・材料系ジャーナルサイトのプラットホーム機能強化による国際情報発進力向上」事業を実施した(2015-2019年度)。 |
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