平成26年度事業報告 ・ 収支決算(H26.3.1~H27.2.28)
平成26年度補助金等報告書(該当なし) 平成27年4月24日に開催されました一般社団法人日本鉄鋼協会定時社員総会において、標記報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。 Ⅰ.平成26年度一般社団法人日本鉄鋼協会事業報告・収支決算(H26.3.1~H27.2.28) 平成26年度は、平成25年度を初年度とする中期財務計画の2年目の年であった。活動内容としては、(1)協会基本活動の活性化、(2)鉄鋼の学術・技術の活性化、(3)人材育成、(4)他学協会との連携強化、(5)政府の科学技術・産業技術政策への対応、(6)内外へのプレゼンスの強化、等の実施に重点を置いた事業活動を展開した。 1.協会基本活動の活性化 会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を学協会の基本活動として重点を置いている。 会員数はリーマンショック後の景気変動の影響も受け、微減傾向が続いている。平成26年度末時点で個人会員総数で8,800名(前年度末8,927名)、うち正会員7,792名(前年度末7,834名)、また維持会員166社(前年度末161社)である。また、60歳以上の会員の増加を目的に21年から導入されたシニア会員制度は168名(前年度末163名)が活用している。 平成26年度の春季大会は東京工業大学で、秋季講演大会は名古屋大学で開催された。講演大会での研究発表件数は一般講演春季大会342件、秋季大会383件、討論会春季大会43件、秋季大会17件、国際セッション春季大会2テーマ21件、秋季大会1テーマ9件で合計春季大会406件、秋季大会409件であった。登録参加者は、春季大会1,415名、秋季大会1,328名であった。学生ポスターセッションの発表は春季73件、秋季86件であった。 論文の状況は、1~12月の合計で、投稿論文数は「鉄と鋼」139(156:前年)件、「ISIJ Int.」774(765)件、同様に掲載論文数は「鉄と鋼」176(90)件、「ISIJ Int.」398(311) 件であり、特に「鉄と鋼」は第100巻記念特集号ということで掲載数が大幅に増加した。また「ISIJ Int.」も投稿数、掲載数とも増加傾向にある。 2.鉄鋼の学術・技術の活性化 研究会Ⅰとしては「固液共存体の挙動制御によるマクロ偏析低減」、「熱間圧延ロール」、「鉄鋼インフォマティックス」、「小型中性子源による鉄鋼組織解析法」の4件、研究会Ⅱとしては「円周ガイド波による配管減肉検出技術Ⅱ」、「鉄鋼スラグ中フリーMgO分析法の開発と標準化」、「スケールの伝熱特性支配因子調査」の3件が新規に着手された。また、2件の産発プロジェクト、12件の研究会については継続研究を実施した。 前年度に採択決定した鉄鋼研究振興助成(35件)について助成を行った。 平成27年度に向けて産発プロジェクト1件、研究会Ⅰを5件、研究会Ⅱを1件、鉄鋼研究振興助成 36件の採択を行った。 3.人材育成 企業人材育成として、40回目となる蔵王での鉄鋼工学セミナー(176名参加)が開催されたほか、鉄鋼工学セミナー専科については凝固、腐食・表面処理、精錬プロセス解析、強化機構、水素脆化、材質制御、の6テーマ、22回目となる鉄鋼工学アドバンストセミナー(30名参加)が開催された。 学生育成として、企業経営幹部による大学特別講義は11大学で実施された。また、従来の経済産業省による大学特別講義に企業講師を加え、新たに始めた鉄鋼技術特別講義も12大学で実施された。学生鉄鋼セミナーは2コースが実施され32名の参加、修士学生向け鉄鋼工学概論セミナーは21名、学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナーは京浜22名、和歌山7名、八幡7名、呉29名の参加であった。学部学生の製鉄所見学は15回実施され、総計580名が参加した。 西山記念技術講座では、「日本の鉄鋼の発展を支えてきた製銑・製鋼技術」及び「材料設計を先導する物理解析技術・計算科学」をテーマに開催した。また、白石記念講座は「枯渇する金属資源に『今』我々ができること・すべきこと」をテーマに開催した。 4.他学協会等との連携強化 日本金属学会との講演大会相互聴講を実施した。また日本鉄鋼連盟をはじめとして鉄鋼環境基金、鐵鋼スラグ協会、日本鋼構造協会と「鉄鋼関連助成事業連絡会」を2回開催した。さらに日本鋼構造協会と「社会インフラ分野技術開発課題検討懇談会」を開催した。 5.政府の科学技術政策・産業技術政策への対応 日本鉄鋼協会が提案した科学技術振興機構の産学共創基礎基盤技術開発制度「ヘテロ構造制御金属材料プロジェクト」の支援、政府の未来開拓研究制度での構造材料研究について必要な支援を行った。 6.内外へのプレゼンスの強化 1) 平成27年2月3日に本会創立100周年記念式典を経団連会館にて開催した。式典後の祝賀会には、安倍晋三内閣総理大臣、下村博文文部科学大臣、宮沢洋一経済産業大臣に来賓として出席いただき、祝辞をいただいた。また式典には、藤井基之文部科学副大臣、高木洋介経済産業副大臣、久間和生内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員から祝辞をいただいた。 2) 創立100周年を記念して「第5版鉄鋼便覧」を発刊した。さらに「新版 鉄鋼材料と合金元素」の編集 作業を進めるとともに、「鉄と鋼」第100巻記念特集号を発刊した。 3) 春季講演大会において経営トップ特別講演としてJFEスチール(株)林田代表取締役社長が「鉄鋼業の世代交代とJFEスチールの取り組み」と題する講演を実施した。 4) 高温酸化・高温腐食国際シンポジウム2014(ISHOC-14)、第4回国際鉄鋼科学シンポジウム(ISSS 2014)を開催し、国際的な情報発信、国際交流を深めた。またAIST-ISIJ Oxygen Steelmaking Technical Exchange を実施した。 5)平成27年1月から「ふぇらむ」の電子化を実施した。 |