(一社)日本鉄鋼協会 評価・分析・解析部会 | Technical Devision of Process Evaluation & Material Characterization

評価・分析・解析部会

部会集会

第17回部会集会・特別講演会開催のご案内 テーマ「高温冶金プロセスにおける非金属介在物の挙動」

第176回秋季講演大会中に、評価・分析・解析部会の部会集会にて特別講演会を開催いたします。部会関係者の方々お誘い合せの上、多数ご出席くださいますようご案内いたします。

1. 日時: 2018年9月20日(木) 13:00~14:00 (内 講演は50分程度)
2. 場所: 第176回秋季講演大会 会場15
(東北大学・川内キャンパス マルチメディア教育研究棟6階 M601-2)
3. 特別講演会
1) 講師: 柴田浩幸 教授 (東北大学 多元物質科学研究所)
2) 講演概要: 「高温冶金プロセスにおける非金属介在物の挙動」
高温冶金現象の理解を深めるためには、高温における’その場‘観察あるいは計測は大変有効である。例えば各種の金属やガラスの製造プロセスでは、ほとんどの場合に溶融状態を経て製品が製造される。このため、溶融状態における物性値の高精度な評価および凝固プロセスの理解は重要であり、著者らのグループではこれらのプロセス制御に関わる熱物性値の計測、鋼の凝固や非金属介在物の挙動の直接観察を行ってきている。1996年に東北大学に導入された共焦点走査型レーザー顕微鏡とゴールドイメージ炉を組み合わせた観察装置は、これまで困難であった高温における鋼の凝固現象、介在物挙動を観察することを可能とし、この20年間で世界中の研究機関に導入されている。非金属介在物は鋼の特性に大きな影響を与えることが知られているが、一方で脱酸素生成物である非金属介在物の生成後の挙動や凝固後の熱処理過程における挙動については十分に明らかになっていなかった。本講演ではこれまでに著者らのグループで行ってきた高温(約1500℃~1200℃)における非金属介在物の挙動に関するその場観察の研究例および高温における物性計測の例を紹介する。

評価・分析・解析部会 設立20周年記念シンポジウム Part Ⅱ

評価・分析・解析部会設立20周年記念シンポジウムの第1回を日本鉄鋼協会第173回春季講演大会(首都大学東京 南大沢キャンパス)にて2017年3月17日に行いましたが、部会での広範な研究領域を網羅するために、今回20周年記念シンポジウムの第2回を開催致します。皆様のご参加をお待ちしております。

1. 日時: 2017年9月8日(金) 9:00~12:10
2. 場所: 北海道大学 札幌キャンパス 高等教育推進機構3階 E306
(日本鉄鋼協会 第174回秋季講演大会 会場21)
3. プログラム
座長: 平井昭司(東京都市大名誉教授)・井上 亮(秋田大)
9:00~9:05 「評価・分析・解析部会設立20周年を祝して」
評価・分析・解析部会 部会長  井上 亮
9:05~9:40 「鋼中ガス成分の新しい分析法の開発」
JFEスチール  ○城代哲史、藤本京子、佐藤 馨、猪瀬匡生、吉本 修
9:40~10:15 「金属中微粒子評価技術の開発」
新日鐵住金  水上和実
10:15~10:50 「発光分析用プラズマ中で起こる励起/電離現象」
東北大金研  我妻和明
10:55~11:30 「中性子法の鉄鋼への応用」
北大  大沼正人
11:30~12:05 「鉄鋼分野の健全な人材育成」
東北大多元研  鈴木 茂
12:05~12:10 閉会の辞 
               20周年記念誌編集委員長  平井昭司
4. 参加費: 無料
資料(講演概要)は当日会場で配布,事前申込み不要.
※シンポジウムのみに参加する場合,鉄鋼協会受付にお立ち寄りいただく必要はありませんので,直接シンポジウム会場へお越し下さい.

評価・分析・解析部会 設立20周年記念シンポジウム

1. 日時: 2017年3月17日(金) 9:30~12:00 
2. 場所: 首都大学東京 南大沢キャンパス 6号館4階401教室
(日本鉄鋼協会第173回春季講演大会第17会場)
3. プログラム
座長: 河合 潤(京大)
9:30~10:00 「鋼中非金属介在物評価法」 井上 亮(秋田大) 
10:00~10:30 「文化財における金属の利用と分析」 早川泰弘(東京文化財研究所) 
10:30~11:00 「東大宗宮研の化学分析と東北大後藤研の機器分析: 大和建造プロジェクトの鉄鋼分析と19委員会第1分科会」
古谷圭一(東京理科大) 
11:00~11:30 「蛍光X線分析の高精度化を実現する試料調製と標準試料作製法」
中山健一(東北大金研)
11:30~12:00 「分析機器・技術の高度化・ディジタル化に伴う一冶金研究者の雑感」
日野光兀 (東北大) 
4. 参加費:無料
資料(講演概要)は当日会場で配布,事前申込み不要。
※シンポジウムのみに参加する場合,鉄鋼協会受付にお立ち寄りいただく必要はありませんので,直接シンポジウム会場へお越し下さい。

第16回部会集会・特別講演会

テーマ「超音波ガイド波による配管の効率的な減肉検査法」
第172回秋季講演大会中に、評価・分析・解析部会の部会集会にて特別講演会を開催いたします。部会関係者の方々お誘い合せの上、多数ご出席くださいますようご案内いたします。

1. 日時: 2016年9月23日(金) 13:00~14:10 (内 講演は50分程度)
2. 場所: 第172回秋季講演大会 第17会場
(大阪大学 豊中キャンパス 全学教育講義C棟2階 C203)
3. 特別講演会
1) 講師: 西野秀郎(ひでお) 教授 (徳島大学 大学院 理工学研究部 機械科学系)
2) 講演概要: 「超音波ガイド波による配管の効率的な減肉検査法」
超音波ガイド波(以下、ガイド波)は、板材やパイプ、丸棒、鉄道レール等の長手方向に長距離伝搬する波動である。この広い伝搬範囲からの反射波を検出することで、効率的な検査が可能であることが最大の特徴である。ガイド波の物理は、1960年代に始まるが、近年のガイド波の応用研究は2000年前後から盛んになっている。欧米では、商用装置の開発も行なわれ、2000年にはNEDO事業にて日本にも導入されている。ガイド波という名称は2009年にJIS規格で規定され、その基本的な使用方法は非破壊検査協会規格NDIS2427にて2010年に規定されている。ガイド波計測の最大の特徴は、配管の広範囲を一度の送受信で検査可能なことであり、NDISにおいてセンサより左右5メートルの範囲が計測可能と示されている。一方でガイド波は、多モードで速度分散性があり、全般的に波動伝搬挙動が複雑である。これらの複雑な伝搬挙動を理論や実験を通じて理解し、利用に便利な方法を構築しているのが現状である。本報告では、ガイド波の基本的な物理から、最も単純な欠陥検出法の紹介、さらに特徴を利用した新しい減肉検査方法を示す。ガイド波は一般に欠陥の定量に向かないが、多周波を用いることで欠陥の定量が可能であることを示す。また、現用の装置の紹介も行なう。

第15回部会集会・特別講演会

第170回秋季講演大会中(2015年9月16日(水)~18日(金)、於:九州大学・伊都キャンパス)に、評価・分析・解析部会の部会集会を開催します。お誘い合せの上、多数ご出席くださいますようご案内します。  なお、下記の通り、部会集会での特別講演会の開催をご案内いたします。多数の聴講をお待ちしております。
1. 日時: 2015年9月17日(木)
部会集会  14:40~15:40
特別講演会  14:45~15:35(質疑応答10分含む)
2. 場所: (一社)日本鉄鋼協会 第170回秋季講演大会 第7会場
(九州大学・伊都キャンパス 椎木講堂 第5講義室)
3. 特別講演会
1) 講師: 九州大学 水素材料先端科学研究センター 粟根 徹 特任准教授
2) 演題: 「局所領域の水素と微小介在物・析出物の高感度分析法」
3) 概要:
鉄鋼材料中の水素、そして介在物・析出物は材料の強度等の機械的性質に大きな影響を及ぼすため、これらの分析の重要性、必要性は古くから認識されている。その一方で、数mass ppm以下のごく微小な量であっても水素脆化を引き起こす水素の局所分析、鉄鋼材料表面に観察される直径1m以下の微小な介在物・析出物のいずれの場合も正確な分析が困難であることがよく知られている。これらの分析対象は、分析方法開発のための方向性が明確でなく、長年に亘り著しい閉塞感を醸し出していた。ところが近年、演者は局所領域中の水素、そして微小介在物・析出物の双方に対して独自の分析方法を開発し、その有効性を明確に示すことに成功している。 鉄鋼材料中の水素の局所分析に対しては、ダイナミック二次イオン質量分析(SIMS)法に独自の新方法を組み込むことにより、正確な分析を実現している[1]。SIMS法ではSIMS試料室真空中、試料表面などに存在する水(H2O)、炭化水素(CXHY)、有機物(CXHYOZ)など、分子中に水素原子を含む物質から発生するバックグラウンド水素が、試料に含まれる正味の水素の正確な分析を妨げる。独自の新方法とは、SIMS測定におけるバックグラウンド水素の低減と評価を主軸として、試料に含まれる正味の水素の局所分布を評価する方法である。 鉄鋼材料表面に観察される直径1m以下の微小な介在物・析出物の分析に対しては、汎用型のエネルギー分散型X線分析装置付き走査型電子顕微鏡(SEM-EDX)にごく簡単なセットアップを施すことにより実行可能な斜出射電子プローブマイクロアナリシス(EPMA)法により正確な分析を実現している[2]。「斜出射」という用語は電子線により励起されたX線を0°近傍の非常に小さな取出し角度で検出することを意味する。通常のSEM-EDX法(X線取出し角度: 30~40°)を用いる場合、介在物・析出物を透過した電子線により励起された母相構成元素の特性X線、並びに制動放射により発生した連続X線が介在物・析出物の構成元素の正確な分析を妨げる。一方、斜出射EPMA法では母相から発生したX線を除去し、介在物・析出物から発生したX線のみを分析することが可能となる。また、斜出射EPMA法の分析結果の正確性を証明することを目的として、鉄鋼材料表面部の比較的広い範囲に亘って分布する介在物・析出物を炭素膜上に抽出する独自の方法を開発している。この抽出法は簡便かつ実用性の高い方法であるので併せて解説する。  上記の研究を紹介することにより、鉄鋼材料の局所領域中の水素の分析、微小介在物・析出物の分析における閉塞感を打破し、より有効な分析方法開発への方向性を明確化することが本講演の目的である。

[参考文献]
[1] Tohru Awane et al., Analytical Chemistry, Vol.83 (2011), pp. 2667-2676.
[2] Tohru Awane et al., Analytical Chemistry, Vol.75 (2003), pp. 3831-3836.