(一社)日本鉄鋼協会 評価・分析・解析部会 | Technical Devision of Process Evaluation & Material Characterization

評価・分析・解析部会

湿式鉄鋼分析技術のDX化

活動目的・概要

湿式鉄鋼分析の技術はその精度の高さから未だに主たる分析手法として現場で用いられている。しかしながら、多くの手法はJIS で規定されているものの、その細かい「ノウハウ」は現場の技術者のスキルに拠るところが大きく、言語化することは非常に難しいものであった。これまでの研究会活動により、その多くが溶液化学に基づくものであり、ある程度理論的には推定することができるものの、技能によるところは数値化することが困難である。 一方で、データ解析の進歩は著しいものであり、これを現場に導入することは以上の観点から非常に有用である。すなわち、熟練の技術によらずだれでも分析ができるような手法が必要となる。

そこで、本フォーラムでは機械学習や画像認識などの技術が湿式分析の手法論として適切性を検討することを目的とする。データの蓄積は現在進行している研究会「高度な技能に基づく鉄鋼分析操作の化学検証」において十分になされている。よって、本フォーラムにおける予備検討では、これらのデータを用いて、スキルにより補われているノウハウが画像やスペクトルデータの解析等により再現できるかどうかを、様々なバックグラウンドを持つ参加者との議論により検証を進める。そして、フォーラム終了後にはデータサイエンスに基づく新たな湿式鉄鋼分析の手法論を確立する研究会へと展開する。

運営組織(2025年4月1日現在)

 名前 役割 所属
 稲川 有徳 座長 宇都宮大学
 松山 嗣史 岐阜大学
 鈴木 保任 金沢工業大学
 上原 伸夫 宇都宮大学
 水口 仁志   徳島大学
 板橋 大輔   日本製鉄株式会社


フォーラム活動予定(2025~2027年度)

・これまでのデータの収集と機械学習による終点判断の可能性探索:研究会「高度な技能に基づく鉄鋼分析操作の化学検証」において滴定操作などにおける画像や色座標データなどを蓄積してきた。このデータに対して解析を行い、データ解析の有用性を検討する。

・企業技術者への協力要請:現場の技術者のノウハウと解析データの突合せを行うための協力者を討論会などを通じて募る。

・鉄鋼協会講演大会における討論会セッションの実施:画像解析やデータサイエンスに基づく鉄鋼分析に関連する講演を募集し、講演大会における討論会セッションを開催する。ここでは、湿式分析に限らず、非破壊分析法などにも門戸を広げ、研究協力者のネットワークを広げることを目的とする。