2021年秋季(第182回)

第182回討論会テーマ

1. 創形創質工学分野「圧延潤滑技術の進展」
提案者:宇都宮裕(阪大)、植野雅康(JFE)
圧延潤滑技術は生産性の向上、消費エネルギーの低減や表面品質の向上に大きな影響を与え、ハイテンに代表される硬質材の増加に伴い、その重要性は増してきている。近年、圧延界面での潤滑油や各種添加剤のその場観察手法等も開発され、メカニズムの理解も進んできている。本討論会では、圧延潤滑技術に関して討論を行い、今後の技術動向を探る。
2. 材料の組織と特性分野「高強度鋼の不均一変形と破壊」
提案者:土山聡宏(九大)
TRIP鋼やDP鋼など、高強度を有する複合組織鋼では、基地中のマルテンサイト、ベイナイト、残留オーステナイト、析出物など第二相組織の存在により不均一な応力・ひずみ集中を生じ、それが材料の加工硬化や破壊の挙動に大きく影響を及ぼしている。また単一組織であるマルテンサイト鋼においても、階層的な下部組織に起因した不均一変形が生じることが明らかとなっており、そのマクロ特性への影響に興味が注がれている。本討論会では、これらの高強度鋼におけるさらなる特性改善のための組織制御指針を得ることを目的とし、とくに引張試験や疲労試験の初期段階における不均一変形組織と加工硬化挙動、ならびに後期段階の局部変形と破壊の関係に着目し、実験的な解析手法による変形組織と力学特性の評価や計算工学的手法による不均一変形挙動の予測や破壊機構の解明に関する研究成果の現状をレビューする。
3. 評価・分析・解析分野「製鋼プロセスにおけるオンライン分析技術」
提案者:出口祥啓(徳島大)
製鋼プロセスにおけるオンライン分析の最新動向に関する討論を行うことにより、同技術の実用化加速を図る。