第48回鉄鋼工学セミナー受講者募集案内
本協会では、「我が国の企業人材育成活動」の一つとして、大学卒業後数年程度の技術者を対象にして、鉄鋼製造の基礎理論と現場の諸問題を結びつけた集中的な学習会「鉄鋼工学セミナー」を1975年から開催しております。
本セミナーの特徴は、専門分野ごとのコースに分かれ、6日間にわたって講師と受講者が一堂に集い、学び、交歓を深めることにあり、体系的講義とその現場への結びつきとしてのケーススタディ、受講者の発題によるグループ討論など有意義なカリキュラムを組んでおります。
本年夏は下記のとおり開催いたしますので、奮って受講下さい。また、大学若手教員も参加いただけます(参加にあたっては、他の受講者と同等の扱いとなります)。
第48回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、募集定員を従来の各コース約半数以下としています。受講生の宿泊は、1部屋に1名とします。但し、1室3部屋の客室には2名宿泊となります。期間中の懇親会の予定はございません。
なお、本セミナーは新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン等に準じた感染対策を実施の上、対面で開催いたします。感染状況によっては、開催を中止する場合もあります。
- 1.期日:
- 2022年7月10日(日)~7月15日(金)
- 2.会場:
- リゾートホテル ラフォーレ那須
〒325-0301栃木県那須郡那須町湯本206-959
(東北新幹線・JR東北本線「那須塩原」駅下車バス40分 TEL.0287-76-1811)
- 3.実施コース・募集定員:製銑コース 12名、製鋼コース 16名、材料・圧延加工コース40名
- (注)定員オーバーの場合や参加資格を満たさない場合はお断りすることがあります。特に連絡がなければ受講可とお考え下さい。
- 4.プログラム:
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- 製銑コース
- 講義/講師/グループ討論 プログラム
- 製鋼コース
- 講義/講師/グループ討論 プログラム
- 材料・圧延加工コース
- 講義/講師/グループ討論 プログラム
- 5.参加資格:
- 国内に生産拠点を有する維持会員企業に属する企業社員(日本鉄鋼協会個人正会員)
国内に生産拠点を有する維持会員企業の推薦を受けた企業社員(日本鉄鋼協会個人正会員)
日本の大学に属する若手教員(日本鉄鋼協会個人正会員)
準会員、非会員、外国会員は参加出来ません。 - 6.費用(税込):
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- 受講料:
- 139,300 円
(ただし、維持会員会社に所属する方・大学若手教員は103,000 円)
- 宿泊・食事代:
- 58,000 円(5泊15食)
◎請求書は開催終了後に送付します。開催1ヵ月前の2022年6月10日(金)以降に申込の取り消しをされた場合、開催終了後に請求(全額)させていただきます。
- 7.申込締切日:2022年4月20日(水)期日厳守
- 8.申込方法:申込みは終了いたしました。
- ※なお、申込みいただいたデータは、鉄鋼工学セミナーに関する業務以外の用途には使用いたしません。
- 9.その他:セミナー講義は、テキスト内容を前提に行われますので、予習実施の上、ご参加下さい。
討論が遅くまで行われる場合がありますので、研修前・研修中の体調管理には留意して下さい。
(一社)日本鉄鋼協会 育成グループ
E-mail:educact@isij.or.jp
- ●鉄鋼工学セミナーWG●
- 主査 宇都宮 裕(大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授)
- (製銑コース)
- リーダー 葛西 栄輝(東北大学大学院環境科学研究科先端環境創成学専攻教授)
- 幹事 野内 泰平(JFEスチール(株)スチール研究所製銑研究部主任研究員)
- (製鋼コース)
- リーダー 小林 能直(東京工業大学科学技術創成研究院教授)
- 幹事 大中 一徳(大同特殊鋼(株)本社技術企画部副主席部員)
- 幹事 田村 鉄平(日本製鉄(株)技術開発本部プロセス研究所製鋼研究部精錬研究室研究第一課課長(上席主幹研究員))
- (材料・圧延加工コース)
- リーダー 宇都宮 裕(大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授)
- 幹事 中村 浩史(日本製鉄(株)技術開発本部関西技術研究部材料研究室材料開発課上席主幹研究員)
- 幹事 岩崎 慎((株)神戸製鋼所真岡製造所技術開発本部プロセス技術センターアルミ板プロセス技術開発室室長)
- 幹事 常陰 典正(山陽特殊製鋼(株)研究・開発センター新商品開発室長)
基本プログラム
- ◎イブニングセミナー
- 7月11日(月)18:30~20:00
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◎実施コース、内容
(Ⅰ)製銑コース
講義・講師一覧
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- 講義-1
- 移動速度論学
元九州大学大学院工学研究院材料工学部門
国友 和也
- 講義-2
- 高炉極限操業の理論と実践
日本製鉄(株)技術開発本部プロセス研究所製銑研究部主席研究員
折本 隆
- 講義-3
- 石炭・鉱石事情の現状と今後
日本製鉄(株)原料第二部(原料第一部兼務)資源調査上席主幹
柏瀬 陽一
- 講義-4
- 反応速度論
九州大学大学院工学研究院材料工学部門教授
大野 光一郎
- 講義-5
- 石炭性状とコークス製造
三菱ケミカル(株)香川事業所コークス部検査グループマネージャー
安楽 太介
- 講義-6
- 焼結鉱の製造と性状
JFEスチール(株)スチール研究所製銑研究部主任研究員
樋口 隆英
- 講義-7、8
- 熱力学1、2
東北大学多元物質科学研究所教授
植田 滋
- 講義-9
- 新製鉄プロセス
(株)神戸製鋼所鉄鋼アルミ事業部門技術開発センター製銑開発部主任研究員
大菅 宏児
- 講義-10
- 製銑プロセスにおける速度論演習
東北大学多元物質科学研究所教授
埜上 洋
- 講義-11
- 粉粒体工学と高炉/焼結への適用
JFEスチール(株)スチール研究所製銑研究部主任研究員
野内 泰平
- 講義-12
- 状態図演習
東北大学大学院工学研究科金属フロンティア工学専攻准教授
三木 貴博
グループ討論について
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テーマ:「カーボンニュートラルの観点から製鉄プロセスのあるべき姿を考える」
国際的にCO2排出量削減の機運が高まる中、日本政府は2030年に2013年度比46%削減、2050年にカーボンニュートラルを目指す事を宣言した。
「上記目標を実現するために、日本の製鉄プロセスは将来どうあるべきか」について討論を実施する。【宿題】製鉄プロセスのカーボンニュートラルを指向した時の課題を抽出するとともに、それを実現する新規な製鉄技術を提案し、第1日目にグループメンバーに報告する。
【討論】カーボンニュートラルを実現する製鉄プロセスのあるべき姿を議論する。
[グループ討論参加への注意事項]
セミナー期間中はグループ討論の時間を確保するため、必要と思われる資料は事前に準備の上、持参すること。また、プレゼンテーション用ソフトが入ったパソコン(電子メールを含めた、データを相互やり取りができるタイプ)を各自持参すること。 製銑コース聴講についての留意事項
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講義毎に宿題が出されていますので、解答1枚毎に名前を明記したものを「必ず」6月29日までに PDFファイルにて幹事へメール送信願います。それ以降は未提出と見なし、所属企業へ提出の催促を行うことがあります。
プログラム
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(II)製鋼コース
講義・講師一覧
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- 講義-1
- 熱力学
東京工業大学科学技術創成研究院教授
小林 能直
- 講義-2
- 移動速度論、介在物
JFEスチール(株)スチール研究所製鋼研究部
古米 孝平
- 講義-3
- 凝固基礎、偏析
秋田大学大学院理工学研究科物質科学専攻材料理工学コース准教授
棗 千修
- 講義-4
- 反応速度論
日本工業大学基幹工学部応用化学科教授
内田 祐一
- 講義-5
- 溶銑予備処理、転炉、2次精錬
(株)神戸製鋼所鉄鋼アルミ事業部門技術開発センター製鋼開発部製鋼開発室主任研究員
中須賀貴光
- 講義-6
- 連続鋳造
日本製鉄(株)技術開発本部プロセス研究所製鋼研究部主幹研究員
高平 信幸
- 講義-7
- 電気炉、特殊鋼精錬
大同特殊鋼(株)生産技術部主席部員
山内 貴司
- 講義-8
- 状態図
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻准教授
松浦 宏行
- 講義-9
- 物性
九州大学大学院工学研究院材料工学部門准教授
齊藤 敬高
- 講義-10
- 耐火物
黒崎播磨(株)技術研究所共通基盤研究センターセンター長
合田 広治
グループ討論について
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テーマ「10年後を見据えた日本の製鋼プロセスの提案」
昨今の鉄鋼業を取り巻く環境を鑑みると、中国を中心とした新興国における生産能力の急拡大、世界的な景気変動に伴う需給バランス激変など、日本の鉄鋼業は厳しい国際競争の荒波にもまれている。また一方、カーボンニュートラルを目指したCO2排出削減、ゼロエミッション化など環境への取り組みも最重要課題として注力する必要がある。
このような状況の中で、熾烈な競争に勝ち抜き、持続的に事業を発展していくには付加価値の高い高級鋼の造り込み、及び製造コストの低減と生産性の維持向上を両立させることが必要である。
これらの視点に立って、現状の製鋼プロセスに対し、10年後において生産性2倍、あるいはコストおよびエミッション半分という高き目標を掲げ、それを達成するために既存プロセスに固執しない製鋼プロセスのあり方について、新しい提案、アイデアをグループごとに議論する。
なお、事前に通知されるグループ分けをもとに受講者相互で連絡を取り合い、具体的な討議案を事前にグループ内で決めておくこと(現地での討論時間は合計10時間程度で、一から議論すると不足します)。研修中は文献やインターネット情報等の入手が困難であることを前提に各自で必要と思われる資料は事前に入手、準備の上持参すること。また、グループ内で相互にデータをやりとりするため、メール送受信が可能(あるいは汎用USB等でのデータ授受が可能)で、プレゼンテーション用ソフトおよび計算ソフト(Microsoft Excel等)が入ったノートパソコンを各自持参すること。グループ編成の参考とするため、下記の区分から希望する分野を選択して、申込書の所定欄にご記入下さい。
【区分】(1)精錬、(2)鋳造 製鋼コース聴講についての留意事項
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講義によっては宿題があります(オリエンテーション時に提出)。テキストをご確認下さい。
プログラム
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(III)材料・圧延加工コース
講義・講師一覧
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- 講義-1、2
- 鉄鋼の組織概論1、2
東北大学金属材料研究所金属組織制御学研究部門准教授
宮本 吾郎
- 講義-3
- 塑性変形概論
九州大学大学院工学研究院材料工学部門教授
田中 將己
- 講義-4
- 鉄鋼の強度学概論
田中 將己(前掲)
- 講義-5
- 材料熱力学概論
物質・材料研究機構構造材料研究拠点上席研究員
グループリーダー 大沼 郁雄
- 講義-6
- 組織予測制御学
大沼 郁雄(前掲)
- 講義-7
- 組織解析概論
東北大学金属材料研究所不定比化合物材料学研究部門教授
今野 豊彦
- 講義-8
- AIと組織解析
名古屋大学大学院工学研究科材料デザイン工学専攻計算材料設計講座教授
足立 吉隆
- 講義-9
- 板圧延の基礎理論
日本製鉄(株)技術開発本部プロセス研究所圧延研究部板圧延研究室上席主幹研究員
浜田 龍次
- 講義-10
- 板圧延の三次元変形と応用
浜田 龍次(前掲)
- 講義-11
- 圧延機
プライメタルズテクノロジーズジャパン(株)プロジェクト統括部冷延プロジェクト部
中山 徹
- 講義-12
- 厚板・溶接
JFEスチール(株)スチール研究所鋼材研究部
柚賀 正雄
- 講義-13
- 容器用薄鋼板概論
JFEスチール(株)スチール研究所表面処理研究部主任研究員
山中洋一郎
- 講義-14、15
- 脆性破壊と疲労破壊1、2
JFEスチール(株)スチール研究所主席研究員
田川 哲哉
- 講義-16
- 圧延における計測制御
JFEスチール(株)スチール研究所主席研究員
飯塚 幸理
- 講義-17
- 条鋼圧延技術
(株)神戸製鋼所技術開発本部材料研究所(兼)プロセス技術センター専門部長
串田 仁
- 講義-18
- ステンレス鋼の最新の科学・技術
山陽特殊製鋼(株)研究・開発センター基盤研究室予測研究グループ
細田 孝
- 講義-19
- 表面処理・防食
日本製鉄(株)技術開発本部鉄鋼研究所表面処理研究部めっき研究室研究第二課長
高橋武寛
- 講義-20
- 自動車用構造部材の加工技術
日本製鉄(株)技術開発本部鉄鋼研究所材料ソリューション研究部ソリューション研究第四室研究第二課課長
大塚研一郎
- 講義-21
- 沸騰冷却の基礎
佐賀大学海洋エネルギー研究センター教授
光武 雄一
- 講義-22
- 特殊鋼の熱処理
愛知製鋼(株)開発本部技術総括部部長
安達 裕司
- 講義-23
- 圧延界面での現象
大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授
宇都宮 裕
- 講義-24
- 自動車用薄鋼板の金属学
JFEスチール(株)スチール研究所薄板研究部部長
金子真次郎
グループ討論について
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現在、我が国の鉄鋼業は、1)新興国の台頭による国際競争激化の中でいかに製品や製造技術の優位性を維持していくか、2)自動車へのアルミニウム、炭素繊維強化プラスチックの適用といった他分野との競合の中で、素材としての鉄の可能性を高めていくにはどうすればよいか、さらに、3)環境・エネルギー・資源問題や世界経済などの社会的状況変化の中で鉄鋼製造はどうあるべきか、などの多くの厳しい課題に直面しています。しかし、これまでの日本鉄鋼業の歩みを振り返ると、困難な状況の中でこそ先進的な製品や革新的な設備・製造プロセスを開発し、世界に冠たる技術を構築してきました。次代を担う受講生諸君には、現在の状況をばねに知恵を出し合い、我が国の鉄鋼業を変革し、飛躍させることを期待します。
このような視点に立って、材料開発や加工・製造プロセスに携わる技術者としての立場から、これからの鉄鋼製品や製造技術はどうあるべきかについて議論します。また、材料開発者側からのプロセス提案、プロセス・操業側からの商品提案も歓迎しますので、現在の職務にかかわらずテーマ区分の申請をお願いします。
討論の内容には、将来に向けての先端的課題や展望といった視点を含むこととし、以下のテーマ区分とします。具体的な討論内容は特に指定しませんが、各グループ内で議論を行い、合意した内容を選択してください。(1)「高機能・高付加価値製品の提案」
- 鉄鋼の可能性、市場を拡大する、また、信頼性を向上させるための機能・付加価値をもった製品を考える。
- 例えば、現状の特性を飛躍的に高める、あるいは、これまでにない革新的な用途や機能等を見つけ出す。そのために必要な物性は何か?それを実現するためのメタラジー、設備、製造プロセスはどのようなものか?解決すべき課題は?等。
(2)「理想の鋼材製造プロセス」
- 製品特性、品質、生産性やコスト等を追求する上で理想とする圧延、熱処理、表面処理、精整などの製造プロセスや設備、さらには計測制御技術、革新的省プロセス技術などを考える。
- 例えば、現在のプロセスに替わる革新的な製造技術はどのようなものか?人員配置、品質管理体制、製造場所、輸送、エネルギーはどうあるべきか?中国、インド、ブラジルなどに建設される新しい設備の能力に負けない製造技術として何を考えれば良いか?等。
[事前準備]事前に通知されるグループ分けをもとに受講者相互で連絡を取り合い、具体的な討議案を事前にグループ内で決めておくこと(現地での討論時間は合計10時間程度で、一から議論すると不足気味になります)。また、プレゼンテーション用ソフトが入ったパソコンを各グループで1台以上持参すること。なお、グループ内で相互にデータをやりとりするため、可能な限り各人がメール送受信可能なパソコンを持参することが望ましい。また、研修中は文献やインターネット情報等の入手が困難であることを前提に、各自で必要と思われる資料は事前に入手、準備の上持参すること。
材料・圧延加工コース聴講についての留意事項
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材料・圧延加工コースは同一時間に複数の講義が並列して行われる日があります。準備の都合上、受講を希望する講義科目を事前に各受講生から指定していただきます。6月上旬のテキスト配布時に、聴講希望の調査をしますので、配布されたテキストを参考にして希望受講科目を決定し、回答して下さい。
なお、材料・圧延加工コースは、講義に宿題はありません。 プログラム