後援予定(50音順):経済産業省、文部科学省 協賛予定(50音順): (社)化学工学会、(社)計測自動制御学会、(社)資源・素材学会、(社)電気学会、電気事業連合会、(社)土木学会、(社)日本エネルギー学会、(社)日本ガス協会、(社)日本機械学会、(社)日本技術士会、(社)日本金属学会、(社)日本建築学会、(社)日本材料学会、(社)日本塑性加工学会、(社)日本熱処理技術協会、(社)日本分析化学会、(社)腐食防食協会、(独)物質・材料研究機構、(社)溶接学会 講座の視点: 地球温暖化に代表される気候変動、資源枯渇、エネルギー供給問題など、地球規模の課題がクローズアップされ、人類が営々と築き上げた化石燃料に依存した社会システムが大きく変わろうとしている。今後、人類が地球環境と共存しながらサスティナブル社会を構築するためには、低炭素社会実現に向けた新たな取り組みが求められる。本講座では、第203・204回西山記念技術講座のテーマである「CO2削減に向けた一貫製鉄プロセス技術の現状と将来展望」と対をなす形で、鉄鋼業以外の主要産業分野における低炭素化への取り組みを紹介し、両講座を通して低炭素社会実現に向けた新機軸に迫りたい。 |
1.期日: 2010年12月13日(月) 9:00~16:50
2.場所: 東京電機大学 7号館1階丹羽ホール (東京都千代田区神田錦町2-2 TEL.03-5280-3405(代))
3.プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 4.事前申込み: 不要
5.参加費(税込み): 会員 8,000円(含協賛団体個人会員)、一般 15,000円、学生 1,000円、学生非会員 2,000円 | ※参加者には講演テキスト1冊を無料でさしあげます。なお、当日入会の申込をし、会費と入会金(正会員 10,700円、準会員4,900円、学生会員3,000円)をお支払いいただいた方は、会員参加費または学生会員 参加費で参加できます。 | ※会員割引は個人の会員のみ有効です。受付で本会あるいは協賛団会の会員証をご提示下さい。 | ★テキストは、講座終了後(2010年12月14日以降)残部がある場合、会員8,000円、一般15,000円で 販売いたします。 | テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 | (株)OCS 連絡先:TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp 〒108-8701 東京都港区芝浦2-9-13 |
問合せ先: (社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 植田、内田 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2 新倉ビル2階 TEL.03-5209-7014 FAX.03-3257-1110 E-mail:educact@isij.or.jp |
[講演概要] 1)【基調講演】地球環境問題の科学と政治 (東京大学・米本昌平) 今日、地球環境問題が重要な外交課題であることを誰も不思議なこととは思わない。しかし、地球環境問題など大スケールの課題が正規の外交課題となったのは、冷戦の終焉と連動していた。冷戦時代の核戦争の脅威と地球温暖化の脅威とは類似性があり、地球温暖化問題は冷戦後の緊張緩和を埋めるものとして登場してきた。この視点からすると、京都議定書は理想主義を掲げたEU外交の主導によるものであった可能性が強く、今後、この枠組みに戻る可能性は小さい。環境問題が外交の交渉対象になるためには、信頼に足る科学情報が共有される必要があり、外交と科学研究が融合・合体するのが地球環境問題の特徴の一つである。欧州では、越境大気汚染問題で外交の蓄積があり、これが温暖化交渉にとっても重要な先行体験となっている。東アジアは、先進国の典型・日本と、急成長する巨大・中国という、極端に異なった二国が隣り合わせに位置しており、日本は、この非対称な関係を見据えて、新しい国際協力の形を作り出していく必要がある。 | 2)低炭素社会実現に向けた経済産業政策 (経済産業省・小澤典明) 我が国の温室効果ガス排出量の約9割はエネルギー起源のCO2であり、エネルギーの需給構造を低炭素型のものに変革していく必要がある。経済産業省では、本年6月に改訂・閣議決定されたエネルギー基本計画に基づき、技術開発や新エネルギー等の普及促進を図ると共に、我が国が強みを持つ優れた環境・エネルギー課題解決産業を成長産業の1つとして強化するべく取り組んでいる。また、こうした技術の国際展開により、世界の温室効果ガスの大幅な削減に貢献すると共に、新たなメカニズムの構築の可能性を追求するなど、低炭素社会構築に向けて積極的に施策を推進している。本講座ではそれらの取組を紹介する。 | 3)グリーン・イノベーションによる成長のための研究開発戦略 (文部科学省・田口 康) 地球温暖化は現在国際社会が挑戦すべき最重要課題の一つとなっており、我が国の今後10年間の国家戦略を示した「新成長戦略」(本年6月閣議決定)においても、成長分野の柱の一つとしてグリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略が挙げられている。環境と経済成長の両立を可能にする低炭素型社会を実現するためには、既存技術の延長ではない革新的技術の開発に加え、社会システムの変革とそれを支える人材育成が不可欠である。本講座では、革新的な低炭素化のための研究開発や、今後避けることのできない地球温暖化の影響に適応するための研究、低炭素社会実現に向けたシナリオ研究の推進等のグリーン・イノベーションのための文部科学省の取組について述べる。 | 4)低炭素社会実現に向けた炭素繊維複合材料の貢献 (東レ・須賀康雄) 日本政府が定めた「低炭素社会づくり」の実現に向けて、先端材料世界No.1を目指す東レ株式会社のGHG削減に向けたシナリオと、具体的な事業事例として炭素繊維複合材料の開発による低炭素社会づくりへの貢献を紹介する。最初に東レの掲げる環境経営方針とその具体的活動となる「エコチャレンジ」プロジェクトを紹介する。更にその中核事業の一つである炭素繊維複合材料について、開発の経緯と現状に続いて、環境改善に向けた取組みとして「軽量化による省エネルギー」、「低炭素な創エネルギー」、そして最後に「自然との共生」に向けた事例について、社内外の研究技術開発の成果例を紹介する。 | 5)低炭素社会実現に向けた電気事業の取組み (電気事業連合会・釜谷広志) 電気事業連合会は「電気事業における環境行動計画」を策定・公表し、①エネルギーセキュリティ(Energy security)、②経済性(Economy)、③環境保全(Environmental conservation)の「3E」の同時達成を目指し、良質で低廉な電気の安定供給を大前提に「低炭素社会の実現」に向けて最大限努力しています。そのためには、需給両面での取り組みが必要であり、①原子力の推進を中心とした供給側のエネルギーの低炭素化、②高効率電気機器の普及・促進による電化促進を通じた需要側のエネルギー利用の効率化、を推進しています。発電時にCO2を出さない原子力発電は温暖化対策の中心的な役割を果たします。2020年までに9基の増設を行うなど、原子力の積極的推進を図ります。また、エネルギーセキュリティーや経済性等の面からも必要不可欠な火力発電所についても、高効率化を図っていきます。更に、再生可能エネルギーについても、例えばメガソーラーを2020年までに約30地点で約14万kWの建設を計画しています。需要面では、ヒートポンプ給湯器(エコキュート)等の高効率電気機器や電気自動車等の普及を推進することで、CO2削減に取り組みます。 | 6)低炭素社会におけるガス事業の方向性と技術開発 (日本ガス協会・池永寛明) 平成22年6月、エネルギー基本計画を見据えた「エネルギー基本計画」が改定された。人口減少、高齢化、産業構造など2030年の日本のこれからのエネルギーは、ガス事業はどうなるのか?150年前にガス燈から始まった都市ガス事業。家庭用の厨房、給湯、暖房から業務用・産業用の熱需要の天然ガス転換そしてガス空調、ガスコージェネの展開など技術とビジネスモデルのイノベーションの連続だった。2030年の低炭素社会に向け、省エネルギーの追求、再生可能エネとガスとの「融合」、地域内の分散エネルギーシステム―個別と地域・面との「統合」「制御」、そして「海外」がキーワードとなってくる。本講座では、これからのガス事業の方向性と技術開発のあり方を概括する。 | 7)【特別講演】低炭素社会実現へのソリューション (東京工業大学・柏木孝夫) 世界は今、大きな転換点にある。今までのエネルギー社会の延長に、今後の未来はない。低炭素社会を実現するためのパラダイムシフトが求められており、「化石から非化石への燃料転換」と「化石燃料のクリーン化や高度利用技術の確立」が必要である。将来的には需要地に知能を備えた各種分散型システム群が大規模送電系統の一端に最適潮流制御を可能とするスマートネットワークを形成し、既存の空間インフラを活用しながら、電力だけでなく熱や物質(例えば水素)も併給する統合型インフラ構造を整備する。これが再生可能エネルギーを最大限とり込める低炭素社会の公共インフラとなる。本講座では、これら低炭素エネルギー社会のグランドデザインについて、現状と課題および将来展望を概説する。 |
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