2024年秋季(第188回)

第188回国際セッションテーマ

国際セッション開設の目的、講演申込方法、各セッションの案内等をご確認の上、ふるってご参加ください。

1.国際セッションの目的
急速に進展する学術分野の国際化に対応するためには、学術論文誌のみならず、米国のMRSやTMSのように通常の講演大会に諸外国の研究者にも参加してもらい、研究成果を世界に向けて発信することが望まれます。今後の国際化の展開において、近隣諸国の研究者への情報発信源として日本鉄鋼協会を位置づけるための企画のひとつとして、講演大会協議会では英語を公用語とする国際セッションを計画しました。その目的を以下に列記します。
  • ミニ国際会議としてタイムリーなテーマで国際間交流ができる場を提供します。
  • 大学院学生や若手企業研究者が今後の国際化に対応しやすいように研究成果を発表する練習の場を提供します。
    できれば、海外の著名な研究者を招待して教育効果を上げます。
  • 日本国内滞在中の留学生や研究者が気楽に英語で発表できる場を提供し、帰国後も日本鉄鋼協会を通じた研究活動を展開してもらいます。
  • 若手研究者が本格的な国際会議を企画実施する練習として気軽に活用してもらいます。

なお、講演大会発表原稿とは別に、ISIJ Internationalへの投稿をお誘いしています。著者は「ISIJ International投稿規程」を必ずご参照下さい。 論文原稿は10ページ以内、ISIJ International掲載において審査が行われます。

2.セッションの案内

セッションA:高温プロセス部会
“Microstructures and properties of iron ore sinters”
(焼結鉱の組織と特性)

提案者:林 幸(東工大)、村尾玲子(日本製鉄)

カーボンニュートラル製鉄への要請と鉱石の劣質化により、高品質焼結鉱の設計指針が求められている。耐粉化性、高被還元性を有する高品質焼結鉱を製造するためには、焼結鉱の主要構成相である多成分カルシウムフェライト(多成分CF)の結晶構造、形態、相安定領域を調査し、また、多成分CFを含む焼結鉱の組織と耐粉化性、被還元性等の特性との関係を解明することが重要である。本国際セッションでは、上記の課題についての最近の成果を講演し、将来の国際的な連携につなげる。

セッションB:サステナブルシステム部会
“Realization and challenges of building a sustainable society through utilization of iron and steel slag”
(鉄鋼スラグの利活用を通じたサステナブル社会構築の実現と課題)

提案者:松浦宏行(東大)、内田祐一(日本工大)

鉄鋼スラグは品質や生産量が安定しており、天然資源に乏しい日本において貴重な資材である。本セッションでは日本を含む各国での鉄鋼スラグを中心とした製鉄プロセス副産物の利活用に関する現状を共有するための講演と質疑の機会を設ける。さらに、鉄鋼業における喫緊の課題である、脱炭素・カーボンニュートラルの潮流に呼応した鉄鋼スラグを取り巻く環境の変化について討議する。

セッションC:材料の組織と特性部会
“Innovative evaluation techniques for hydrogen entry and hydrogen trapping – IV”
(水素侵入と水素捕捉の革新的評価法(IV))

提案者:伏見公志(北大)

水素脆性対策材料開発とともに、実環境で発生する水素脆性に基づく水素侵入・捕捉試験法の規格化・標準化は水素脆性対策を検討する上で重要である。実態に則した水素侵入評価法を開発・整備化することにより技術要素、応用分野ともに新たな発展が考えられる。本セッションでは、水素侵入・捕捉評価法における最近の展開を多角的に議論する。