日本鉄鋼協会 第2回(2023年度助成開始)鉄鋼カーボンニュートラル研究助成募集案内
日本鉄鋼業が排出する二酸化炭素の総量は年間約1.7億トンと日本全体の約14%を占めており、その削減が喫緊の課題となっています。
すでに鉄鋼業界では、2030年の実用化に向けて革新的製鉄技術の開発を推進すると同時に、水素還元製鉄技術の開発や、製鉄プロセスで発生するCO2を分離回収して原料とし、有価物を生成するCCU(Carbon Capture and Utilization)の調査研究にも着手しております。一方、カーボンニュートラル実現に向けて多様なアプローチがある中、萌芽的な研究の支援が、今後より一層必要になると考えています。
そこで、日本鉄鋼協会では、地球温暖化防止に向けて協会で取り組むべき課題を明確にすることを目的として、2022年度より新たに「鉄鋼カーボンニュートラル検討会議」を設置いたしました。その活動の一環として、総額4,000万円/年の新しい研究助成制度「鉄鋼カーボンニュートラル研究助成」を設けました。鉄鋼分野以外の化学工学、機械工学、電気工学等の分野も含め、既に検討を開始したカーボンニュートラル/グリーントランスフォーメーションに資する研究や、アイディア段階の萌芽的な研究を支援させていただきたいと考えています。以下にその応募要件を記しますので、積極的なご応募をお願い申し上げます。
1. 目的:
鉄鋼業におけるカーボンニュートラルに資する萌芽的、先端的シーズ技術の掘り起こし。
2. 助成対象となる研究分野:
鉄鋼業におけるカーボンニュートラルに資する可能性のある研究分野全て
申請用紙の研究分野欄には、下記のいずれかの分野から選択してご記入ください。
①製鉄原料、②新製鉄、③電気炉/スクラップ、④エネルギー、⑤CCU、⑥CCS、⑦エコプロダクト*、⑧その他
*従来の材料研究開発と異なる視点であることが望ましい
<研究分野の例:以下は例示であり、これ以外の応募も歓迎します>
- ・カーボンニュートラル要素技術(二酸化炭素資源化、CCUなど)
- ・グリーンエネルギー創成技術
- ・スマートグリッド技術、変動再エネ活用等社会インフラ構造変革対応技術
- ・水素製造他、水素関連技術(製鉄での利用を考慮した、非高純度・安価・大量)
- ・エネルギーキャリア技術(アンモニアなど)
- ・鉄鉱石を還元する還元材の抜本的転換技術
- ・製鉄所を対象としたCCS技術
- ・製鉄業における熱利用・排熱利用技術
- ・直接還元製鉄および直接還元製鋼、スラグ・トランプエレメント除去技術
- ・電炉におけるCO2削減技術、スクラップの有効活用技術
- ・萌芽的領域にある新たな製鉄技術(カーボンニュートラル製鉄、電解精錬など)
- ・グリーンエネルギー創成、CO2排出量削減のための鋼材開発
- ・エネルギーコスト、環境経済、社会・法制度
※科研費の「系・分野・分科・細目表」の細目に属する分野であれば応募可能です。
3. 応募資格:
- ・研究期間中、日本の国公私立大学・高等専門学校、公的研究機関に勤務(常勤)する研究者(国籍不問)を原則とします。
- ・非会員でも応募できますが、採択された場合は本会に正会員としてご入会いただきます。
- ・応募件数は1人1件としますが、同一研究室からの複数応募も可能です。
- ・日本鉄鋼協会第1回(2022年度助成開始)鉄鋼カーボンニュートラル研究助成に応募された方で、採択されなかった方も応募可能です。
鉄鋼カーボンニュートラル研究助成の研究費受給期間中の方は応募できません。
4. 研究期間:
以下①もしくは②から選択
- ①1年
- ②2年
- ※助成額は、研究期間を考慮しません。
5. 助成金額:
100万円~200万円程度/1件
6. 採択件数:
20~40件程度
7. スケジュール:
- ・公募開始:2023年1月下旬
- ・公募締切:2023年4月17日(月)必着
- ・結果連絡:6月下旬(採択された課題は、本会ホームページにて公表します。)
- ・助成金支給時期:7月(2023年度のみ)に、一括して全額支給します。
8. 成果報告:
- ・研究期間①の場合は、所定の書式(A4用紙1枚)の終了報告書提出
- ・研究期間②の場合は、1年目終了後に中間報告書(A4用紙1枚)、2年目終了後に上記①の終了報告書提出
9. 申請方法:
以下より申請用紙をダウンロードの上、必要事項を記入し、Wordファイルの形式で電子メール oshima@isij.or.jp に送信してください。
研究内容をわかりやすくPRすることを目的として、申請用紙に加え、図表を中心とした補足資料(フリーフォーマット、A4サイズ1枚厳守)を添付することができます。
10.選考:
選考は、鉄鋼カーボンニュートラル研究助成審査WGが行い、理事会で決定します。
11.結果通知:
- ・応募者には2023年6月下旬頃に選考結果を通知いたします。
- ・受給者名、テーマ名、研究期間を、日本鉄鋼協会ホームページに掲載します。
12. 助成金交付・使途
- ・原則として本助成金は奨学寄附金として研究者の所属する機関に経理を委託します。
- ・寄附申込書送付後3ヶ月以内に請求がない場合、助成金は支払いません。
13.交付条件:
- ・鉄鋼カーボンニュートラル研究助成審査WGから、シンポジウムや講演大会、報告会での発表を依頼することがあります。
(論文投稿や講演大会での発表を、交付の必須条件とはしません) - ・研究成果の発表の際には、「日本鉄鋼協会 鉄鋼カーボンニュートラル研究助成受給結果による」ことを明記してください。
- ・採択時に所属している組織から別の組織に異動する場合は、本会と対応を協議することとします。
14.応募書類・内容の取り扱い:
- ・応募書類は返却しません。また応募された内容は公開しません。
- ・選考の過程で、資料の提示あるいは詳細説明を依頼する場合があります。
- ・申込データは本事業に関する業務以外には使用しません。
日本鉄鋼協会 技術企画グループ 大島
TEL.03-3669-5932 E-mail:oshima@isij.or.jp