第27回鉄鋼工学アドバンストセミナー（鉄鋼工学中堅技術者育成セミナー）受講者募集案内（申込締切日:2019年6月10日）

■開催案内

本セミナーは10～15年の実務経験を持つ中堅技術者を対象とし、次代の鉄鋼業の担い手を育成することを目的としています。各コースとも、他社の技術者とのディスカッションを主体に、既得の知識を存分に活用しながら各自の技術思想の整理・再構築を図ることに主眼を置いた、実践的コースで構成されております。


（1）少人数で討論主体：
	受講者は予め提示された宿題に対する解答を用意し、本セミナーで相互にこれを発表した後、問題点を抽出して徹底的な討論を行う。尚、宿題、討議のいずれにおいても受講者所属組織の秘密情報の提出は強要しない。

（2）次代に向けたテーマ：
	次代の鉄鋼業に向けた課題をテーマとして選択する。答えを出すことが目的ではない。
（3）最高の講師陣：
	テーマに対する最高の専門家を講師として迎え、これら講師が関連する講義を担当しWG委員とともに討論の指導を行う。また、将来に続く緊密な産学連携を意識し、大学若手研究者が講師として参加する。

第27回を下記のとおり開催いたしますので、奮って受講下さるようご案内いたします。

1．

期　日
2019年10月28日（月）～30（水）　集合日時：10月28日（月）8:30

2．

会　場
セミナーハウス　クロス・ウェーブ船橋
（〒273-0005 千葉県船橋市本町 2-9-3）　電話：047-436-0111

3．

内　容
次項以降に示す

4．

募集コースおよび内容

コース共通	基本的時間割　　基調講演
製銑コース	テーマ／講師・アシスタント／宿題／講義
製鋼コース	テーマ／講師・アシスタント／宿題／講義
圧延コース	テーマ／講師・アシスタント／宿題／講義

(注)	募集人員は、各コース約10名、全コース合わせて30名程度です。応募者がきわめて少ない場合は、そのコースの実施を中止することがあります。また、応募者が多数の場合は、お断りすることがあります。

5．

参加資格
以下の条件をすべて満たしている方。

（1）	日本鉄鋼協会正会員。
（2）	国内に生産拠点を有する維持会員企業に属する企業社員国内に生産拠点を有する維持会員企業の推薦を受けた企業社員日本の大学に属する若手教員。
（3）	鉄鋼工学セミナー、同専科修了者または同等以上の経験・能力を有する方。
（4）	討論主体の本セミナーで積極的に発言できる方。本セミナーは知識を吸収する場ではなく、各々の知識を以て討論する場です。

6．

費　用

イ）金額(税込)

受講料：110,000円
食事代： 13,200円（5食分）

※	宿泊料及び朝食代は含まれておりません。宿泊につきましては、ハ）をご覧下さい。

ロ）送金方法

受講者が決定次第、請求書をお送りしますので、8月19日（月）までにご送金下さい。
8月20日（火）以降に申込みの取り消しをされても返金できませんので、予めご了承下さい。

ハ）宿　　泊

宿泊につきましては、受講者が決定次第、併せてご案内いたします。
なお、受講者各位でお申し込みいただき、料金をお支払いいただく形式となりますので、予めご了承下さい。

7．

申込締切日
2019年6月10日（月）期日厳守

8．

申込方法
申込みは終了いたしました。

申込・問合せ先
(一社)日本鉄鋼協会　育成グループ　楢岡
〒103-0025　東京都中央区日本橋茅場町3-2-10　鉄鋼会館5階
電話　03-3669-5933　FAX.03-3669-5934　E-mail：educact@isij.or.jp

●育成委員会鉄鋼工学アドバンストセミナーWG●

WG主査	三木　祐司	(JFEスチール(株) スチール研究所主席研究員)
WG委員	野村　誠治	(日本製鉄(株) 技術開発本部プロセス研究所製銑研究部部長)
	木村　世意	((株)神戸製鋼所鉄鋼事業部門技術開発センター製鋼開発部部長)
	藤井　康之	((株)神戸製鋼所技術開発本部材料研究所加工技術研究室主任研究員)

■内　容

1．基調講演

題　目「持続可能な発展をめざして：気候変動の長期ビジョンと現実制約を踏まえた短中期の行動」
気候変動問題は国内外で重要性を増している。一方、国連はSDGsを掲げており、気候変動問題を含め複数の持続可能な発展目標の同時達成が求められている。講演では、長期のCO₂排出削減のビジョンのあり方と各種対策技術の役割、そしてイノベーションの役割・重要性を指摘する。また、現実に横たわる様々な制約を加味しながら現実に実効ある短中期の排出削減行動について、システム的な思考を基に論じる。

講　師　秋元　圭吾（公益財団法人地球環境産業技術研究機構システム研究グループ
グループリーダー・主席研究員）

2．コース
（1）製銑コース

テーマ「国内コークス製造プロセスの将来像」
石炭資源の有効利用、高生産性、省エネルギー、高環境対応を目的に実施された国家プロジェクト「SCOPE21」（1994～2003）の開始から四半世紀が経過し、国内コークス製造プロセスは、上記課題に加えて、さらに種々の課題（コークス炉老朽化とリプレース、さらに劣質な資源への対応、より高いレベルのCO₂削減・環境対応力、国内高炉製銑法の将来、将来の国内鉄鋼需要、労働力問題、他）が具体的かつ現実的となってきている。本セミナーでは、鉄鋼業を取り巻く環境や今後の種々の制約条件をふまえ、今後の日本国内におけるコークス製造プロセスの将来像について討議し、実現に向けて解決すべき課題とアプローチについて議論する。


講　師	青木　秀之	(東北大学大学院工学研究科化学工学専攻教授)
	松井　　貴	(JFEスチール(株)スチール研究所製銑研究部主任研究員)
	坪内　直人	(北海道大学大学院工学研究院附属エネルギー･マテリアル融合領域研究センター准教授)
○講義1	「コークス品質予測モデルの開発」（青木講師）
○講義2	「石炭資源に対応したコークス製造技術」（松井講師）
○講義3	「添加剤使用による石炭軟化溶融性とコークス強度の制御」（坪内講師）

○宿題：
	鉄鋼業を取り巻く環境や今後の種々の制約条件をふまえ、「あなたが理想と考える2030～2050年の国内コークス製造プロセスの将来像」について説明して下さい。レポートには、①そのように考える根拠、②将来像の実現に向けて解決すべき課題、③課題解決に向けてのアプローチ案を必ず含めて下さい。なお、レポート提出にあたり、関連資料のレビューを実施し、考察の根拠とした資料は、参考資料として記載してください。［キーワード］資源劣質化、高生産性、省エネルギー、環境・CO₂問題、等＊セミナー当日の宿題発表はパワーポイントで行い、宿題レポートの要点を明確に発表出来るよう構成すること。

（2）製鋼コース

テーマ「鋳片・鋳塊の高品質化とデータサイエンス活用に向けた課題」
我が国の鉄鋼業が、世界で持続的に事業を発展させるためには、付加価値の高い高品質鋼を造り込み、かつ製造コストの低減と生産性の維持向上を両立する新たなプロセス確立が求められる。本セミナーでは、次世代（10～20年先）を見据えた製鋼工程のあるべき姿を構想し、高品質鋼製造プロセスの進むべき方向性とそれを実現するために必要なブレークスルー技術について議論することを目的とする。


講　師	磯部　浩一	(秋田工業高等専門学校創造システム工学科機械系教授)
	浅野　一哉	(JFEテクノリサーチ(株) 経営企画部フェロー)
	棗　　千修	(秋田大学大学院理工学研究科物質科学専攻材料理工学コース准教授)
○講義1	「鋳片熱処理時の変態及び応力発生挙動の解析とデータサイエンスの活用」（磯部講師）
○講義2	「鋳造・凝固シミュレーションにおけるデータサイエンスの活用」（棗講師）
○講義3	「連続鋳造プロセスにおけるデータサイエンスの活用」（浅野講師）

○宿題：

最近の東～東南アジアの鉄鋼業を取り巻く環境や状況を踏まえ、製鋼プロセスにおける3～5年先の課題および10年先の課題を設定し、その対応策を述べて下さい。下記の3項目（①、②、③）に対して、キーワードを参考に、現状の課題と革新的高品質鋼製造を可能とする製鋼プロセス・技術を提案してください。提案にあたっては、極力客観的な根拠・データを示し、根拠となる出典（文献、参照URLなど）を明らかにし、レポートに記載してください。

①	高生産性と高品質化を両立する技術 [キーワード] 高純度鋼精錬方法、高清浄鋼製造方法、高級鋼の作り込み技術、歩留まりアッププロセス制御、スラブ品質QA・QC技術
②	操業と品質の安定化に向けた情報処理技術 [キーワード] 新センサー、データサイエンス（AI、IoT、ICTなど）、画像処理、ロボティックス
③	産学連携の活性化学側への要望、企業から学側への働き掛け、交流の方法について、意見・提案を述べてください。

※セミナー当日の宿題発表はパワーポイントで行い、宿題レポートの要点を明確に発表出来るよう構成すること。

（3）圧延コース

テーマ「冷間圧延プロセスにおける難製造材加工技術とその課題」
世界の鉄鋼市場が拡大しつつある中で、新興国では生産設備の増強や技術の向上が進んでおり国際競争は更に激化する方向にある。またユーザーニーズとしてもCO₂排出量削減を背景に自動車用鋼板では薄肉・高強度化が進んでいる。海外鉄鋼メーカとの品質差別化，高強度材の生産性向上，歩留改善によるコスト競争力の強化を実現する上では中核プロセスである冷間圧延工程での難製造加工技術は重要な課題となる。本セミナーでは高強度材（ハイテン・ステンレス）や極薄物材等の新たな材料を従来材(軟鋼等)と同等の製造設備や能力で生産するための課題と必要なプロセスや技術について検討を行う。


講　師	藤田　文夫	(東北大学名誉教授)
	木村　幸雄	(JFEスチール(株)スチール研究所圧延･加工プロセス研究部主任研究員)
	手塚　知幸	(東芝三菱電機産業システム(株) 産業第二システム事業部プロセス制御研究開発センタープロセス制御開発課課長)
	濱崎　　洋	(広島大学大学院工学研究科機械物理工学専攻助教)
○講義1	「冷間圧延理論とその課題」（藤田講師）
○講義2	「冷間圧延の潤滑技術に関する現状と課題」（木村講師）
○講義3	「冷延プロセス制御とIoT技術の活用」（手塚講師）
○講義4	「鋼板の変形特性，モデリングと塑性加工シミュレーション」（濱崎講師）

○宿題：
自身が担当するプロセス（ライン）おいて高強度材や極薄物材等の新たな材料を従来材と同じ製造範囲(寸法)や能力(生産性・歩留)で製造しなければならない時に課題となる要因（設備、技術）を分析・整理し、これを解決するため必要なプロセス・技術について文献等を参考に考察してください。更に理想的な冷延プロセス・設備、あるいはその一部をなす要素技術について既成概念に捉われず発想し提案してください。

[キーワード]
薄板圧延(冷延・調質圧延)、矯正加工、潤滑技術、難製造材(ハイテン材、薄物、高強度ステンレス)、高生産構造(稼働率、作業率)、寸法制御、設備技術、プロセス制御技術、センサー利用技術、
数値シミュレーション、データ活用(ビッグデータ、IoT、AI )

※セミナー当日の宿題発表はパワーポイントで行い、宿題レポートの要点を明確に発表出来るよう構成すること。