第16回鉄鋼工学アドバンストセミナー

■開催案内 　 本セミナーは10～15年の実務経験を持つ中堅技術者を対象とし、次代の鉄鋼業の担い手を育成することを目的としています。 各コースとも、他社の技術者とのディスカッションを主体に、既得の知識を存分に活用しながら各自の技術思想の整理・再構築を図ることに主眼を置いた、実践的コースで構成されております。 　 （1）少人数で討論主体： 　 受講者は予め提示された宿題に対する解答を用意し、本セミナーで相互にこれを発表した後、問題点を抽出して徹底的な討論を行う。 を特徴の第一とした実戦的セミナーです。また、次の特徴もあります。 　 （2）ホットなテーマ： 　 今話題となっている課題をテーマとして選択する。 （3）最高の講師陣： 　 原則として、テーマに対する最高の専門家2名（大学・企業各1名）を講師として迎え、これら講師が討論の指導を行うとともに関連する講義を担当する。また、アシスタントとして大学若手研究者が討論に参加する。 第16回を下記のとおり開催いたしますので、奮って受講下さるようご案内いたします。 　 １． 期　日 2008年10月23日（木）～25日（土）　　集合日時：10月23日（木）　10：00 　 ２． 会　場 かながわサイエンスパーク（KSP） （〒213-0012　神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1　電話：044-819-2001） 　 ３． 内　容 次項以降に示す 　 ４． 募集コースおよび内容 コース共通 基本的時間割　　基調講演 製銑コース テーマ／講師・アシスタント・コメンテーター／宿題／講義 製鋼コース テーマ／講師・アシスタント・コメンテーター／宿題／講義 材料・圧延コース テーマ／講師・コメンテーター／宿題／講義 （注） 応募者がきわめて少ない場合は、そのコースの実施を中止することがあります。 また、応募者が多数の場合は、お断りすることがあります。 　 ５． 参加資格 以下の条件をすべて満たしている方。 （1） 日本鉄鋼協会正会員。 （2） 国内に募集コースの生産工程を有する維持会員会社社員。 （3） 鉄鋼工学セミナー、同専科修了者または同等以上の経験・能力を有する方。 （4） 討論主体の本セミナーで積極的に発言できる方。 　 ６． 費　用 イ）金　額 受講料：105,000円（税込） 食事代：13,600円　（5食分、税込） ※ 宿泊料及び朝食代は含まれておりません。宿泊につきましては、ハ）をご覧下さい。 ロ）送金方法 受講者が決定次第、請求書をお送りしますので、9月26日（金）までにご送金下さい（現金書留も可）。 9月27日（土）以降に申込みの取り消しをされても返金できませんので、予めご了承下さい。 ハ）宿　泊 宿泊（朝食付）につきましては、受講者が決定次第、併せてご案内いたします。受講者各位でお申し込みいただき、料金をお支払いいただく形式となりますので、予めご了承下さい。                        ７． 申込締切日 2008年6月20日（金）期日厳守 　 ８． 申込方法 ※申込みは終了致しました。 申込・問合せ先 　　（社）日本鉄鋼協会　学会・生産技術部門事務局　育成グループ　植田、金子 　　〒101-0048　東京都千代田区神田司町2-2　新倉ビル2階 　　電話：03-5209-7014　FAX：03-3257-1110　E-mail：educact@isij.or.jp 　 ●育成委員会鉄鋼工学アドバンストセミナーWG● 　 WG主査 大北　智良 （元JFEスチール（株）スチール研究所 研究技監） WG委員 内藤　誠章 （新日本製鐵（株）環境・プロセス研究開発センター製銑研究開発部長） 　 山中　章裕 （住友金属工業（株）総合技術研究所製鋼研究開発部 部長研究員） 　 細谷　佳弘 （JFEスチール（株）スチール研究所理事・主席研究員） 　 湯川　伸樹 （名古屋大学大学院 工学研究科マテリアル理工学専攻材料加工工学グループ 准教授） 　 内田　淳一 （住友金属工業（株）総合技術研究所 副所長）                                   ■内　容 　 1.基調講演 　 題　目「東アジア鉄鋼業の新局面」 この講演では、東アジア鉄鋼業の到達点と、その新たな発展パターンをとりあげる。高級鋼に特化する日本高炉、海外への大胆な進出を試みるPOSCO、中国の生産拡大と大規模な産業再編、タイとベトナムにおける高炉建設といった各国のトピックを、その背後にある東アジア経済発展の大きな流れと関連づけて東アジア鉄鋼業の特質を探る。あわせて、日本の鉄鋼業が果たしてきた役割、今後求められる役割について考えたい。 講　師　川端　望（東北大学大学院 経済学研究科教授） 　 ２．コース （1）製銑コース 　 テーマ「省CO2を考慮した次世代の製銑技術について」 世界的な鉄鋼需要を背景に原材料資源の欠乏、品質悪化は5000m3級の大型高炉を多数稼働させている国内企業においては、高生産安定操業を支える上で大きな課題である。一方で、二酸化炭素発生抑制への取り組みから、国家プロジェクトが立ち上げられ、還元平衡点制御技術に取り組む「革新的製銑プロセスの先導的研究」や、CCS（Carbon Dioxide Capture and Storage）やH2還元をキーワードとした「COURSE 50」の検討が開始された。このように製銑分野の開発課題に対しては、将来に向けた取り組みが期待されている。本セミナーにおいては、標記テーマに基づき、現在検討されているCO2削減技術の概要と今後の展開について、焼結、コークス、高炉各技術者のそれぞれの観点から討議を深めると共に、議論を通して各技術者のレベルアップを図る。                                           講　師 有山　達郎 （東北大学 多元物質科学研究所資源変換・再生研究センター教授） 　 稲田　隆信 （住友金属工業（株）総合技術研究所製銑研究開発部部長） アシスタント 植田　滋 （東北大学 多元物質科学研究所資源変換・再生研究センター助教） コメンテーター 米澤　公敏 （新日本製鐵（株）技術総括部技術総括グループマネジャー） ○宿　題（受講者の決定後、本人に連絡する） ○講義1 「CO2削減に向けた日本鉄鋼業の取り組みと課題」 （有山講師） ○講義2 「大型高炉における低還元材比操業と今後の取り組み」 （稲田講師） ○話題提供1 「CO2Capture and Storageについて」 （植田アシスタント） ○話題提供2 「世界レベルでのCO2問題への取り組み」 （米澤コメンテーター） 　 （2）製鋼コース 　 テーマ「連続鋳造における鋳片割れ改善技術とその課題」 連鋳鋳片の品質を決定する最も重要なプロセスの一つが鋳片割れであると言っても過言ではない。従来より、鋳片割れ欠陥低減技術として様々な開発が実施、実用化されており、現在の日本鉄鋼業の品質競争力を支えるベースとなっている。しかしながら、さらなる製品品質の向上、生産性の向上、高級鋼化、難鋳造鋼種の連鋳化が指向されるにおいて、ベースとなる鋳片性状をさらにレベルアップさせなければトップの競争力を維持することが難しくなってきている。鋳片性状を決定する最大の要因の一つは、表面割れ、内部割れ等の割れ欠陥であり、凝固、晶析出物、組織等が複雑に関連している。本コースにおいては鋳片割れ改善技術に焦点をあて、基本的な考え方と従来の知見、および最近の対応技術を整理すると共に、将来の鋳造技術のあり方について議論を深めることを目的とする。                                           講　師 江阪　久雄 （防衛大学校電気情報学群機能材料工学科教授） 　 中田　　等 （（株）神戸製鋼所加古川製鉄所技術研究センター製鋼研究開発室主任研究員； 現：神鋼リサーチ（株）知的財産情報センター アシスタント 及川　勝成 （東北大学大学院 工学研究科金属フロンティア工学専攻准教授） コメンテーター 山中　章裕 （住友金属工業（株）総合技術研究所製鋼研究開発部部長研究員） ○宿　題（受講者の決定後、本人に連絡する） ○講義1 「凝固組織形成と未凝固域（Ⅰ領域）の割れ」 （江阪講師） ○講義2 「鋳片割れ改善技術の整理（レビュー）および現状の課題について」 （中田講師） ○話題提供1 「計算状態図によるミクロ偏析予測と制御」 （及川アシスタント） ○話題提供2 「割れ発生の模擬実験」 （山中委員） 　 （3）材料・圧延コース 　 テーマ「次世代を展望した高品質材の開発・作り込みの課題と対策」 グローバル規模で展開される鉄鋼再編と東アジア市場での中台韓ミルの急追に曝されている日本鉄鋼業が、今後も鉄鋼製造技術や商品開発力において優位を維持するためには，日本ミルが強みとする製造技術、商品技術、品質評価技術などにおける技術力の源泉を再評価し、その強みをさらに強化する必要がある。本コースでは、プロセスと材料の両面から、究極の圧延技術、究極の熱処理技術、究極の材質作り込み技術、究極の表面品質作り込み技術、究極の品質評価技術など、高品質の鋼板・鋼材を作り込む処方箋について、既存技術に拘泥することなく本質に基づいた討議を展開することで、気鋭の講師陣と次代を担う研究者・技術者の交流を深め、互いのレベルアップを図る。                                           講　師 久保田　淳 （JFEスチール（株）スチール研究所製鋼研究部主任研究員） 　 林　　重成 （北海道大学大学院 工学研究科材料科学専攻准教授） 　 湯川　伸樹 （名古屋大学大学院 工学研究科マテリアル理工学専攻准教授） 　 貝沼　亮介 （東北大学 多元物質科学研究所 新産業創造物質基盤技術研究センター教授） コメンテーター 近藤　泰光 （新日本製鐵（株）環境・プロセス研究開発センター圧延研究開発部主幹研究員） ○宿　題（受講者の決定後、本人に連絡する） ○講義1 「製鋼プロセスにおける介在物低減技術」 （久保田講師） ○講義2 「熱延鋼板に形成する高温酸化スケールに及ぼす雰囲気、微量元素の影響」 （林講師） ○講義3 「板圧延における表面疵変形過程の解析」 （湯川講師） ○講義4 「Fe／溶融Zn界面の組織形成と反応拡散」 （貝沼講師） ○話題提供1 「プロセス条件による赤熱脆性の抑制方法」 （近藤コメンテーター） ○話題提供2 「薄鋼板製造技術の進歩と今後の高級鋼戦略」 （細谷委員）