2025年度事業報告・収支決算(2025.3.1~2026.2.28)
2026年4月21日に開催された一般社団法人日本鉄鋼協会定時社員総会において、標記報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。
収支決算(PDF)
2025年度は第5期中期計画の1年目の年であり、創立110周年関連事業を始めとして、次のとおり事業活動を展開した。
1.協会基本方針に基づく事業推進及び基本指標の状況
第5期中期計画の基本方針に基づき、鉄鋼科学・技術の基盤強化と競争力強化に向けた産学連携活動を実施した。ものづくり人口減少基調の中、鉄鋼企業の統合や、鉄鋼研究を主とした大学の講座の減少なども背景としていると思われるが、本会活動の基本指標である会員数、講演大会発表件数、論文誌投稿数は、役員・委員等関係者の尽力・貢献にもかかわらず減少傾向が進んでいる。
- 2026年2月末時点で、個人会員総数7,903名(前年2月末8,003名)となった。
- 2025年度の春季講演大会は東京都立大学で、秋季講演大会は北海道大学で開催した。講演大会での講演数は春季259件(前年春季262件)、秋季374件(前年秋季315件)であった。参加者数は、春季911名(前年春季1,045名)、秋季1,052名(前年秋季1,085名)であった。また学生ポスターセッションの発表は、春季63件(前年春季83件)、秋季114件(前年秋季78件)であった。春季講演大会で、創立110周年記念式典、記念講演、新設の論文奨励賞表彰等を実施した。
- 論文の状況は、1~12月の合計で、投稿論文数は「鉄と鋼」109件(前年147件)、「ISIJ Int.」374件(前年367件)であった。同様に掲載論文数は「鉄と鋼」108件(前年127件)、「ISIJ Int.」231件(前年242件)であった。2021年度より交付を受けている科研費「国際情報発信強化」事業の遂行、論文誌将来戦略WG活動等を行った。また、「鉄と鋼」及び会報「ふぇらむ」で110周年記念特集号を発刊した。
2.鉄鋼の学術・技術の活性化(研究会I、II、鉄鋼協会研究プロジェクト、鉄鋼研究振興助成、鉄鋼カーボンニュートラル研究助成等)
- 新規研究として、研究会Iは「水素富化高炉炉下部融体の滴下挙動可視化」、「先端凝固・解析による二次介在物生成予測」、「鉄鋼カーボンニュートラルに向けた蓄熱技術」、「材料特性に基づく切削手法の指針策定」、「マルテンサイト組織の基礎的理解」の5件を開始した。研究会IIの新規研究開始は無かった。鉄鋼協会研究プロジェクトは「3Dエリアセンシングによる製鉄所設備診断」の1件、FSとして「微生物腐食診断とリスク管理の指導原理構築」の1件を開始した。継続研究として、研究会Iは8件、研究会IIは3件、鉄鋼協会研究プロジェクトは2件を実施した。
- 鉄鋼研究振興助成については、2025年度開始テーマとして27件について助成を行った。
- 2022年度から開始した鉄鋼カーボンニュートラル研究助成については、2025年度開始テーマとして10件について助成を行った。
3.人材育成
- 学生育成事業として、企業経営幹部による大学特別講義を10大学(約988名参加)、専務理事による鉄鋼技術特別講義を13大学(約1,420名参加)で実施した。修士・博士向けの学生鉄鋼セミナー3コース(32名参加)、修士向け鉄鋼工学概論セミナー(27名参加)、学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナー4製鉄所(87名参加)を実施した。製鉄所見学事業(交通費支給:対象は大学学部・大学院、高校・高専)は28回(756名参加)実施した(うち高校・高専は8回(252名参加))。高校・高専への大学教員出張授業の助成は4校(184名参加)で実施した。高校生・高専生向け動画教材については、Blu-ray/DVD形式による教員への無償提供を継続するとともに、トレーラー化しホームページで公開した。
- 企業人材育成事業は、鉄鋼工学セミナーを那須(169名参加)で、鉄鋼工学セミナー専科は6テーマ(5テーマ対面、1テーマWeb)(84名参加)、鉄鋼工学アドバンストセミナーを船橋(29名参加)で実施した。
- 西山記念技術講座は、「製鉄所における資源循環と廃熱利用」を大阪(45名参加)と東京(ハイブリッド、105名参加)で、「カーボンニュートラル社会実現のためのエネルギー材料における科学基盤と開発最前線」を大阪(30名参加)と東京(ハイブリッド、108名参加)で開催した。白石記念講座は、「鉄鋼業への貢献が期待されるCCUS技術(1)-CO2分離回収・炭素循環技術-」を東京(ハイブリッド、102名参加)で開催した。
- 会員向けWeb講演会(鉄鋼協会Web講演会(3回、1,032名参加)、Web講演会~鉄鋼技術最前線シリーズ~(4回、1,090名参加)、Web講座~入門講座シリーズ~(オンデマンド配信2件))を実施した。
- JABEE技術者教育プログラム認定制度における「材料および関連の工学分野」の幹事学会として、本分野の中心となって活動した。
4.学会部門及び生産技術部門における研究調査活動
- 学会部門の6学術部会においては、各運営委員会(各3回/年)、研究会(上記2.1)参照)、フォーラム(計44)等、生産技術部門においては、19技術部会の部会大会(各1~2回/年)や技術検討会等を実施した。
5.戦略・連携強化
- 日本金属学会と上記1.2)の講演大会を同じ日程・場所で開催し、その中で共同セッションを実施した。
- 日本鉄鋼連盟、鐵鋼スラグ協会、日本鋼構造協会、鉄鋼環境基金と「鉄鋼関連助成事業連絡会」を開催した。
- 鉄鋼カーボンニュートラル検討会議において、研究助成課題の選考・評価(今後の研究方針に関する議論等)、WG活動、講演大会発表企画、国際交流・国際会議等の活動を実施した。
- 日本鉄鋼業の国際競争力強化に向けた産学連携を図るべく、会長・副会長直下のタスクフォースとして、産学連携活性化TTを設置し、検討を進めた。
6.内外への情報発信力の強化
- 本会Webサイトについて、トップページおよび会員ページの改訂を行った。アクセス統計解析、会報誌「ふぇらむ」のダウンロード数等に基づき本会会員が求める情報提供の検討を進めた。
- 2025鉄鋼分析国際会議(ICASI2025)を開催した。
- 「創立110周年記念 日本鉄鋼協会史」を発刊した。