2020年度事業報告・収支決算(2020.3.1~2021.2.28)

収支決算(PDF)

2021年4月21日に開催された一般社団法人日本鉄鋼協会定時社員総会において、標記報告等が承認されました。以下にその概要をお知らせします。

2020年度一般社団法人日本鉄鋼協会事業報告・収支決算(2020.3.1~2021.2.28)

2020年度は第3期中期計画の2年目の年であり、次のとおり事業活動を展開した。

1.協会基本活動の活性化

会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を協会の基本活動として重点を置き実施した。

  • 2021年2月末時点で、個人会員総数8,042名(前年2月末8,825名)、うち正会員6,827名(前年7,299名)、準会員575名(前年669名)、学生会員294名(前年386名)、維持会員171社(前年174社)となった。
  • 2020年度の春季講演大会は東京工業大学で開催予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現地開催を中止とし、概要集「材料とプロセス」の発行をもって開催に代えた。一方、秋季講演大会は富山大学で開催予定であったが、オンライン開催に変更した。講演大会での研究発表件数については、一般講演は春季296件、秋季204件、討論会は春季3テーマ23件、秋季6テーマ45件、国際セッションは春季1テーマ12件、秋季1テーマ6件であった。総登録者数は春季1,329名、秋季1,668名であった。また学生ポスターセッションは書面審査で実施し、発表件数は春季67件、秋季61件であった。
  • 論文の状況は、1~12月の合計で、投稿論文数は「鉄と鋼」125件(前年131件)、「ISIJ Int.」723件(前年779件)であった。同様に掲載論文数は「鉄と鋼」103件(前年138件)、「ISIJ Int.」354件(前年295件)であった。「鉄と鋼」「ISIJ Int.」は2020年10号の掲載論文から、オープンアクセス誌としてCCライセンスの付与を開始した。また、本会欧文誌は2020年に創刊60周年を迎え、「ISIJ Int.」の2020年12号において「The Diamond Jubilee Issue: Selected Topics in Iron and Steel and Their Processing Toward the New Steel Age」と題した記念号を発刊した。

2.鉄鋼の学術・技術の活性化(研究会I、II、鉄鋼協会研究プロジェクト、鉄鋼研究振興助成、等)

  • 新規研究として、研究会Iは「次世代水素富化高炉における塊状帯制御」、「凝固過程の介在物生成・成長・変性機構」、「鉄鋼CCU」、「攻めの操業を支えるシステムレジリエンス」、「微生物腐食の解明と診断・抑止技術の構築」の5件、鉄鋼協会研究プロジェクトは「破壊に強い延性二相チタン合金の組織設計原理の確立」の1件を開始した。継続研究として、鉄鋼協会研究プロジェクトは1件、研究会Iは10件、研究会IIは6件を実施した。
  • 鉄鋼研究振興助成については、前年度に採択決定した35件について助成を行った。
  • 2021年度に向けて、研究会Iを4件、鉄鋼協会研究プロジェクトを2件、鉄鋼研究振興助成を30件採択した。

3.人材育成

  • 学生育成として、企業経営幹部による大学特別講義を7大学で実施した。また専務理事等による鉄鋼技術特別講義も3大学で実施した。学生鉄鋼セミナー、修士学生向け鉄鋼工学概論セミナー、学部学生向け最先端鉄鋼体験セミナーについては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため全て中止とした。学部学生の製鉄所見学は1回実施し、42名が参加した。
  • 企業人材育成として、46回目となる鉄鋼工学セミナー、鉄鋼工学セミナー専科(6テーマ)、28回目となる鉄鋼工学アドバンストセミナーの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため全て中止とした。
  • 西山記念技術講座、白石記念講座は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため全て延期とした。
  • JABEE技術者教育プログラム認定制度における「材料および関連の工学分野」の幹事学会として、本分野の中心となって活動した。

4.他学協会等との連携強化

  • 日本金属学会と上記1.2)の講演大会を合同開催し、その中で共同セッションを実施した。
  • 日本鉄鋼連盟、鐵鋼スラグ協会、日本鋼構造協会、鉄鋼環境基金と「鉄鋼関連助成事業連絡会」を開催した。
  • 日本学術振興会「製鋼第19委員会」の活動を継承して新たに設立された「製鋼科学技術コンソーシアム」へ特別会員として入会し、連携強化を図った。

5.政府の科学技術・産業技術政策への対応

  • 政府の政策に対応した「地球温暖化対策計画の実現に向けた鉄鋼技術検討会議(CGS)」において、地球環境産業技術研究機構(RITE)との情報交換を行うとともに、H2関連講演会を開催する等、地球温暖化対策に関わる課題解決に向けた活動を行った。
  • 2020年4月に文部科学省及び経済産業省が設置した「マテリアル革新力強化のための戦略策定に向けた準備会合」および、その結果を受け2020年10月に内閣府が設置した「マテリアル戦略有識者会議」に対して情報提供等の協力を行った。

6.内外への情報発信力の強化

  • 本会Webサイトについて、会報委員会内にWebサイトリニューアルWGを設置・検討し、情報発信力をさらに強化したサイトを12月1日にオープンした。
  • 本会の第二Webサイトである「ISIJ Int.ジャーナルWebサイト」について、国際発信力をさらに強化するため、JSTのジャーナルコンサルティングを受け、2021年2月にWebサイトのリニューアルを実施。また、同時に国際標準に合わせた投稿規定の見直しを行った。
  • 2020年11月に独鉄鋼協会が幹事としてオンライン開催した世界専務理事会議に出席し、今後の国際会議開催の調整を行った。