会員数、講演大会発表件数、論文誌への投稿論文数の増大を学協会の基本活動として重点を置いている。

会員数はリーマンショック後の景気変動の影響も受け、微減傾向が続いている。平成28年度末時点で個人会員総数で8,561名(前年度末8,720名）、うち正会員7,469名(前年度末7,689名)、また維持会員176社(前年度末169社)である。また、平成29年に導入された学生会員から準会員への転格制度は138名が利用した。

平成28年度の春季講演大会は東京理科大学で、秋季講演大会は大阪大学で開催された。講演大会での研究発表件数については、一般講演は春季大会338件、秋季大会360件、討論会は春季大会3テーマ25件、秋季大会6テーマ39件、国際セッションは春季大会は2テーマ24件、秋季大会はなし、であった。登録参加者は、春季大会1,353名、秋季大会1,292名であった。学生ポスターセッションの発表は春季大会86件、秋季大会76件であった。

論文の状況は、1～12月の合計で、投稿論文数は「鉄と鋼」111(前年111)件、「ISIJ Int.」690(前年663)件、同様に掲載論文数は「鉄と鋼」94(前年89)件、「ISIJ Int.」306(前年355) 件であった。

新規研究として、研究会Ⅰは「通気性確保に向けた高炉内融着現象の制御」、「未利用熱エネルギー有効活用」、「適応的エリアセンシング手法を用いた知能化設備異常診断」、「鉄鋼中の軽元素と材料組織および特性」、「溶鋼リアルタイム分析」の5件、研究会Ⅱは「アルカリ溶出抑制のための製鋼スラグ凝固組織制御」、「鉄鋼材料の土壌腐食機構の解明」、「高機能溶融亜鉛めっき被膜創成とナノ解析」の3件を開始した。

継続研究として、研究会Ⅰは9件、研究会Ⅱは4件、産発プロジェクトは1件、を実施した。

鉄鋼研究振興助成については、前年度に採択決定した36件について助成を行った。

平成29年度に向けて、研究会Ⅰを5件、研究会Ⅱ を2件、鉄鋼研究振興助成 35件の採択を行った。

日本金属学会との講演大会相互聴講を実施した。また日本鉄鋼連盟をはじめとして鉄鋼環境基金、鐵鋼スラグ協会、日本鋼構造協会と「鉄鋼関連助成事業連絡会」を2回開催した。さらに日本鋼構造協会との連携の一環として建設用鋼材利用検討WGの下に「維持管理合同会議」を2回開催した。

日本鉄鋼協会が提案した科学技術振興機構の産学共創基礎基盤技術開発制度「ヘテロ構造制御金属材料プロジェクト」の支援、政府の未来開拓研究制度での構造材料研究について必要な協力・支援を行った。