近年、CO₂排出削減に効果的な高炉低還元材比操業を安定継続するために高強度コークス製造が要求される一方で、良質原料である強粘結炭価格は高止まりし、その枯渇危機も現実的となってきている。このため、コスト競争力を維持しつつコークス製造原料資源を確保する観点から、コークス製造技術の喫緊の課題は、劣質だが安価な非微粘結炭の使用拡大に向けた技術、さらには従来コークス原料の対象外であった亜瀝青炭・褐炭等の未利用炭素資源のコークス原料化技術を開発することである。そこで、これまで以上に劣質な石炭資源から良質なコークスの製造を実現するための新コークス製造法に関する研究が重要となる。

これらの研究に関して、基礎から応用までの最新の成果やレビュー論文を募集し、特集号を発刊したい。なお、本特集号は、「新規コークス製造プロセス要素技術研究会」のメンバーの英文報告も兼ねる予定である。