計算機の進歩と新たな数値解法の発展により、鉄鋼プロセスにおける混相流の数値解析が現実的なものとなってきています。一方で、精錬反応容器内の混相現象については、数値解析による再現が困難な複雑現象が残されているのが現状です。

そこで「精錬反応プロセスにおける混相流・多重スケール解析技術研究会」を立ち上げ、産学協同で研究会活動を行ってきました。研究会では製鋼基礎現象に関するモデル実験をグループ共同で行い、その結果を再現する数値解析について複数の手法で検証、基礎的現象理解を深めてきました。

本特集号では精錬プロセスにおける混相現象に関連したモデル実験結果および実験結果を再現するための複数の手法による数値解析の内容をまとめて発刊いたします。なお、本特集号は「精錬反応プロセスにおける混相流・多重スケール解析技術研究会」の成果報告を兼ねていますが、関連する研究開発についての論文を広く募集いたします。