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会長メッセージ

会長就任にあたって

小野山 修平
日本製鉄(株)代表取締役副社長

この度、第55代日本鉄鋼協会会長に選任されました小野山修平です。大変な名誉であると共に、本協会の会長職の責任の重さを強く感じています。

1915年に設立された本協会は、100年以上に渡り、我が国および世界の鉄鋼技術の発展、さらには人材育成について大きく貢献してまいりました。私自身、本協会の講演大会での発表や討論、技術部会での議論や交流を通じて、多くの先生方や諸先輩、若い世代の方々から多くのことを学ぶことができたこと、そして鍛えられてきたことに感謝をしております。微力ではありますが、皆様とともに、伝統ある本協会の発展に精一杯努力して参りたいと存じます。

はじめに、年初より流行し始めた新型コロナウイルスに罹患された方々や、感染拡大により生活に影響を受けられている皆様に、心よりお見舞い申し上げます。感染症は歴史的にも社会、経済、文化に甚大な影響を与えて来ましたが、人類はその都度、知恵と工夫で危機を乗り越えてきました。一日も早く正常な社会生活に戻ることを願っています。

さて、近年の世界の鉄鋼業では、中国を始めとする東南アジア圏の鉄鋼生産技術の向上が目覚ましく、我が国の優位性を保つためには、様々な分野での更なる鉄鋼技術の深化が求められています。加えて、IoT技術の発展や自動車のEV化などに代表されるように、世の中の産業構造は大きく変化しつつあり、この変化に対応した技術開発が必要な時代となっています。更に、気候変動枠組条約第25回締約国会議、COP25で協議されました二酸化炭素排出削減等の環境問題については、世界規模で活動活性化が促され、鉄鋼業界の果たすべき使命も大きいものとなっています。約100年前に、「学理と実業の結合」を基本思想として設立された本会は、産学一体となって、総合工学としての鉄鋼技術の基盤強化と競争力強化に邁進してまいりました。今後は更に、学と産、それぞれの強みを活かした産学連携の強化を進めるとともに、他分野の学協会も含め、連携を一層強めた幅広い活動を展開してまいります。

最近の本協会の活動は、講演大会の開催、論文誌の発行等で、質の高い議論や論文投稿が展開されています。欧文誌「ISIJ International」は、インパクトファクター(文献引用影響率)の継続的な伸びが示している通り、質の高い学術論文がより多く投稿される学術誌となり、国際的知名度が向上しています。オープンアクセス誌とし、さらなる質の向上を図っていきたいと思います。5年前に創刊100号を迎えた和文誌「鉄と鋼」は掲載内容の更なる充実化等、鉄鋼分野の貴重な技術情報源としての役割の維持、発展へ向けた企画・検討を継続推進してまいります。

次世代の鉄鋼研究者・技術者の育成も本会が果たすべき重要な使命の一つです。時代の変化に即応した課題の抽出・設定ができる人材がさらに強く求められています。そのためにも、長期的な視点に立ち、かつ、学生から企業の若手・中堅に至るまで連続した“履修科目”で構成された本会の人材育成施策は、その重要性を益々増していきます。企業向け事業である「企業経営幹部による大学特別講義」や、学生向け事業である「修士学生向け鉄鋼工学概論セミナー」等の活動を推進し、鉄鋼業界を取り巻く環境変化や社会から求められるニーズをより敏感にキャッチし、より課題を明確にし、解決に向けて活躍できるような力を身に着けられるよう内容の充実を図ってまいります。

鉄鋼の学術・技術のさらなる活性化に向け、学会部門と生産技術部門の連携を強化するとともに、それぞれの部門において、技術シーズ・ニーズの融合を各種部会や研究会においてより高めていきたいと思います。そのためには、学術部会における研究活動でのシーズ発掘、技術部会・技術検討部会におけるニーズ明確化、各種研究助成を通じて、これらが有機的に連携して機能していくことが重要です。今後の大型プロジェクト提案も、当然この先にあります。本会が提供する、シーズとニーズの融合が図られる英知の結集の場を、さらに洗練させてまいります。

以上のように、激動する社会変化に対応すべく日本鉄鋼協会の活動を推進してまいりたいと存じますが、そのために会長としての責務を果たすには会員各位のご協力が不可欠です。皆様の多大なるご支援・ご協力を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

 
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