材料の組織と特性部会
2026年度 新規発足フォーラム参加のご案内

 材料の組織と特性部会では、本部会で対象とする分野の中から重要と思われるいくつかのテーマを取り上げ、その分野の研究の活性化を図るためにフォーラムを設置しております。

 2026年度は新たに3つのフォーラムを設置いたします。活動期間は、2026年3月1日から2028年2月末日までの2年とし、特に活動の継続を必要とする場合には更新することもあります。またフォーラムには運営費が配分されます。

 下記フォーラムへの参加を希望される本部会登録会員は、(1)氏名(2)所属(3)電話番号(4)電子メールを明記の上、下記の世話人へ直接ご連絡下さい。

1.「水素脆化の要因解明と評価・解析技術の進展」フォーラム

趣旨:カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて水素エネルギーの活用、輸送機器等のエネルギー効率化のための構造部材の高強度化が進められており、水素脆化の抑制が課題となる。
本フォーラムでは、近年、開発された新たな水素脆化特性評価解析技術や研究開発によって明らかにされてきた水素脆化の要因解明に関する進展状況について共有化する場とする。さらに、これら最新の水素脆化特性評価解析技術を有する研究者と、それらを活用したい研究者が共同で研究を進めることができる機会をつくり、カーボンニュートラルに資する優れた耐水素脆化特性を有する新たな鉄鋼材料の開発やそれら材料の適切な特性評価、水素脆化メカニズム解明に関する研究を加速させる。

世話人(代表者):河盛 誠(神戸製鋼所)
E-mail: kawamori.makoto@kobelco.com

2.「腐食環境を再現する安定性に優れた水素導入法の構築」フォーラム

趣旨:省エネルギーや環境保護などの観点から、構造材料の高強度化が進められている。しかし、高強度鋼材を腐食環境で使用すると、腐食反応に起因する水素脆化の発生が懸念される。そこで、環境側から鋼材への水素の侵入挙動に関する基礎的知見を得ることに焦点を当てた研究が活発に行われてきた。一方で、産業界からは、「腐食に起因する水素の侵入機構に基づく、安定・再現性に優れた水素導入法の提案」が切望されており、これまでの水素侵入に関する成果を活かしてこの課題に取り組む必要がある。そこで本フォーラムでは、特に以下の2点に焦点を絞って議論する。(1)模擬大気腐食環境では、水素の侵入分布に不均一性が生じることが明確化された。この原因を明らかにするとともに、腐食環境で侵入する局所水素を定量化する。(2)水素チャージの際に添加される触媒毒による電解液の液性変化に関する理解(特にNH4SCNの分解機構等)を通じて、水素導入法を検討する。
本フォーラムでは、上記(1)(2)についての最新の知見に、「水素脆化研究の基盤構築」研究会の成果を加え、「実環境(腐食による局所的な水素侵入)を再現する安定性に優れた水素導入法」に関する議論を行う場とする。

世話人(代表者):菅原 優(島根大学)
E-mail: y_sugawara@mat.shimane-u.ac.jp

3.「残留オーステナイトを含む複合組織鋼の微視的・巨視的変形挙動」フォーラム

趣旨:残留オーステナイト(γ)を含む複相鋼は変形の途中で変形誘起マルテンサイト変態を生じることによって優れた延性を示すが、従来の複相鋼と同様に顕微鏡で観察できるミクロレベルで不均一変形し、硬質相と軟質相の強度、延性の差から硬質相/軟質相界面での損傷(ボイド)の発生が促進されるため、局所変形能が低い。さらに、応力ひずみ線図のような巨視的な変形挙動においても、複相鋼は硬質相と軟質相の強度、延性の差、体積分率、形態によって異なる挙動を示し、非常に複雑な変形をしていると予想される。
本フォーラムでは、残留γを含む複相鋼の微視的、巨視的な変形挙動の議論を行い、複相鋼の変形挙動をマルチスケールに理解することを目指す。また、優れた機械的特性を有する新たな複相鋼の開発やそれら複相鋼の変形メカニズム、損傷の発生、発達メカニズムの解明、実用上重要となる接合部に関する研究を加速させることを目指す。

世話人(代表者):北條智彦(東北学院大学)
E-mail: tomohiko.hojo@mail.tohoku-gakuin.ac.jp

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